エボリューション (プロレス)

エボリューション (Evolution)

エボリューションは、アメリカのプロレス団体WWEで圧倒的な存在感を放ったヒールユニットです。モーターヘッドの"Line in the Sand"を入場テーマに、RAWを舞台に悪の限りを尽くしました。全日本プロレスにも同名のユニットが存在しますが、こちらは全くの無関係です。

第1期 (2003年 - 2005年)

2003年、トリプルHをリーダーに、リック・フレアーを参謀、バティスタを番頭、そしてランディ・オートンを次世代のレジェンドキラーとして結成されました。当初、番頭候補にはマーク・ジンドラックも挙がっていました。

2003年のアルマゲドンでは、トリプルHが世界ヘビー級王座、オートンがIC王座、フレアーとバティスタが世界タッグ王座を戴冠し、女子王座を除く全てのタイトルを独占。RAWを支配する一大勢力として君臨しました。

エボリューションの戦術は、メンバーの王座戦に他のメンバーが介入し、総力戦で対戦相手を潰すというものでした。しかし、このスタイルはRAW所属選手たちとの間に軋轢を生み、一時的に孤立する原因となりました。

ユニット結成の裏には、トリプルHが有望な若手レスラーをトップに押し上げるため、フレアーがかつて率いたフォー・ホースメンを参考にユニットを作ろうという構想がありました。トリプルHとフレアーは、オートンとバティスタに注目し、ユニットに引き入れました（ただし、バティスタはキャリアこそ短いものの、トリプルHより年上です）。

経験を積んだオートンは、2004年のサマースラムでクリス・ベノワを破り、WWE史上最年少の24歳で世界ヘビー級王座を獲得。しかし、トリプルHはオートンの王座戴冠に嫉妬し、暴行を加えて裏切る形でオートンをユニットから追放しました。2005年のロイヤルランブルで優勝したバティスタも、レッスルマニアでトリプルHに勝利し王座を戴冠。同じように卒業という形になりました。

2005年10月3日、WWEホームカミングでトリプルHがフレアーを襲撃。これが引き金となり、エボリューションは解散しました。

2007年12月、RAW15周年記念大会で一夜限りの復活を果たしましたが、オートンは不参加。ウマガ、エッジと組んでエボリューションと対戦しました。

第2期 (2014年)

2014年、バティスタがWWEに復帰。トリプルHは友好的な関係を築き、自身の組織オーソリティーへの引き込みを画策しましたが、バティスタは当初、トリプルHたちと距離を置いていました。

バティスタ復帰前から、トリプルHはオートンの不甲斐なさに苛立っており、レッスルマニア30でのWWE王座戦をオートン対バティスタにすることで、両者に発破をかけようとしました（オートンには奮起を促し、バティスタには組織入りを決断させる意味合い）。しかし、トリプルHとダニエル・ブライアンの抗争が絡み、WM30のWWE王座戦にはブライアンが参戦。オートンとバティスタを破りWWE王座を戴冠したことで、事態は急変しました。

WM30明けのRAWで、対ブライアンという点で利害が一致したバティスタはオーソリティーに加入。組織のメンバー総出でブライアンを襲撃しましたが、シールドが現れブライアンを救出。これにより、シールドとの抗争が勃発します。

4月18日のスマックダウンで、トリプルHはヒールサイドのロースターを総動員してシールドを襲撃。疲弊させたところにオートン、バティスタと共に姿を現し、さらにシールドを痛めつけ、シールドを叩き潰すべく、トリプルH、オートン、バティスタの3人でエボリューションの復活をアピールしました。

5月のPPV、WWEエクストリーム・ルールズでのシールドとの直接対決は敗北。その後のRAW・SmackDownでは、トリプルHが権力を振りかざしヒール勢を掌握し、シールドを痛めつけ続けました。しかし、6月のPPV、WWEペイバックのノーDQ＆エリミネーション戦でもシールドに敗北。

翌日のRAWで、バティスタが組織復活当初の約束であるダニエル・ブライアンのWWE王座への挑戦を主張すると、トリプルHはシールドを完全に壊滅させるまで待つよう返答し、即座に却下。意見が対立したため、バティスタは会場から姿を消してしまいました。

同日のシールドとの対峙では、バティスタ不在でトリプルHとオートンの2人になり、数で劣る状況に。トリプルHが「次のプランを実行する」と口にすると、セス・ロリンズが手にしていたイスでロマン・レインズとディーン・アンブローズを滅多打ちにしてエボリューションに加勢。さらにオートンがレインズ、アンブローズを痛めつけ、その側にはロリンズの肩を抱くトリプルHの姿がありました。ロリンズがトリプルH側に寝返ったのです。バティスタを失ったことで、第2期の活動は一旦終結となりました。

再復活 (2018年)

2018年10月16日にワシントンD.C.から生中継された『Smackdown 1000』で2度目の復活を予告しました。

獲得タイトル

WWE・世界ヘビー級王座：3回（トリプルH）
WWE・インターコンチネンタル王座：1回（ランディ・オートン）
WWE・世界タッグチーム王座：2回（リック・フレアー&バティスタ）
ロイヤルランブル2005優勝：1回（バティスタ）

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