エマニュエル・アルマン・ド・リシュリュー (デギュイヨン公爵)

デギュイヨン公爵の生涯と業績

エマニュエル・アルマン・ド・ヴィニュロー・デュ・プレシ・ド・リシュリュー、通称デギュイヨン公爵（1720年7月30日 - 1788年9月1日）は、フランスの著名な政治家、軍人、そして貴族でした。彼は大叔父であるリシュリュー元帥の影響を受けつつ、フランス王国の中で重要な政治的役割を果たしました。特に彼は、財力と権力を背景にして広大な領地を有し、その影響力を行使した人物として知られています。

軍歴の始まりと早期の業績

デギュイヨン公は17歳で軍に入隊し、ブリエ連隊の大佐としての地位を確立しました。彼はオーストリア継承戦争に従軍し、特にイタリア戦線での活躍が目立ちました。1744年にはシャトー・ドーファンの包囲戦に参加し、そこで重傷を負いました。その後、1746年には捕虜となるものの、1748年には陸軍元帥に昇進し、名声を高めていきました。

宮廷での政治活動

デギュイヨン公は宮廷内でも持ち味を発揮し、ポンパドゥール夫人やジャンセニスト陣営、高等法院に対する反対派の立場を貫きました。彼は1753年にブルターニュ地方総監に任命され、そこでの新税の導入を巡って地元住民との対立を深めました。この新税の導入は住民たちからの激しい反発を招き、彼の人気は急降下しました。1764年には王権の限界を示す事例として国王の大権を制限する法案が廃止されるなど、彼の政策は強い批判にさらされました。

1765年にはブルターニュでの対立が激化し、デギュイヨン公は独自に法律家を集めた裁判所を設立しますが、これもまた非難の的となりました。このような中で、彼の政治スタンスは周囲からの賛同を得ることができず、彼の統治に対する評価は分かれることとなります。

外務卿としてのキャリア

1768年に宮廷に復帰し、1770年に外務卿に就任したデギュイヨン公は、ルイ15世の治世末期において重要な役割を果たしました。この時期、彼は大法官モープー、アベ・テレと共に政権を運営し、「三頭政治」と称される体制が形成されました。もともとは不評であったこの三頭体制も、ルイ15世が1774年に死去するまで続き、一定の政治的安定を提供しました。

フランス革命とその影響

ルイ15世の死後、ルイ16世が即位すると、デギュイヨン公はデュ・バリー夫人の派閥に属していたため、マリー・アントワネットと対立し、結果として辞任を余儀なくされました。彼はその後、フランス革命において国民議会の議員となり、封建的特権の廃止に賛同する立場をとったことでも知られています。デギュイヨン公の息子もまたこの時期にその名を馳せ、家系に続く重要な役割を担うことになりました。

まとめ

デギュイヨン公爵の人生は、軍人としての初期キャリアから宮廷政治、そしてフランス革命に至るまでの激動の時代を反映しています。彼の政治的影響力とその政策は、時代の波に翻弄されながらもフランスの歴史において重要な位置を占めており、今なお研究の対象とされています。彼の統治への評価は賛否が分かれますが、彼の存在が当時のフランスに与えた影響は明らかです。

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