エマ・フルベッキ

エマ・フルベッキの生涯

エマ・フルベッキ（1863年2月4日 - 1949年）は、アメリカ人宣教師であり、教育者として日本で活躍しました。彼女は、米国聖公会から派遣され、立教女学校（現・立教女学院）、立教大学校（現・立教大学）、東京女子師範学校附属高等女学校（お茶の水女子大学附属中学校・高等学校の前身）で教鞭を執りました。

生い立ちと教育

エマは、宣教師グイド・フルベッキの次女として、長崎で生まれました。幼少期を日本で過ごした後、アメリカに帰国し、カリフォルニア州オークランドで代数学、幾何学、ラテン語などを学び、高校を卒業しました。

日本での活動

1883年、エマは米国聖公会の宣教師として再び来日し、立教女学校で英語と音楽を教え始めました。立教大学校でも同様に英語と音楽を担当し、特に音楽指導は生徒から高い評価を受けました。当時の立教女学校は、築地居留地の住居の一部を教室として使用していましたが、1884年には新校舎が完成し、教育環境が整備されました。1885年には東京女子師範学校附属高等女学校にも教員として迎えられ、英語と音楽を教えました。

エマは、父グイド・フルベッキの自宅で暮らし、父の書生であった高橋是清や、政府高官たちとの交流もありました。また、佐々木高行の娘、静衛（後の加賀美繁子）に英語を教えるなど、幅広い人脈を築いていました。

1898年に父グイド・フルベッキが亡くなるまで立教女学校で教鞭を執り、その後、一時帰国しましたが、翌年には再来日しました。

1899年、エマは東京帝国大学で英文法を教えていたヘンリー・テイラー・テリーと結婚し、長く日本に滞在しました。夫の退職に伴い、1912年にアメリカへ移住しました。

消えたフルベッキ日記

エマの父、グイド・フルベッキは、幕末から明治維新にかけて活躍した人物であり、その日記には当時の政治や社会に関する重要な情報が記されていたとされています。エマは、父の死後、日記を大切に保管していましたが、その日記は現在行方不明となっています。エマ自身も、父の日記には「日本人とその習慣、道徳等についての真実な見解」が記されているため、発表には慎重を期すべきだと考えていたことが、彼女の手紙からわかります。

エマ・フルベッキの人物像

エマ・フルベッキは、教育者として生徒から慕われ、音楽指導でも高い評価を得ました。また、父の友人たちや政府高官との交流を通じて、日本の社会や文化にも深く関わっていました。彼女の生涯は、日本とアメリカの文化交流の一つの側面を映し出していると言えるでしょう。

参考資料

『立教女学院百年史資料集』
デジタル版 日本人名大辞典+Plus（講談社）『バーベック』‐ コトバンク
朝日日本歴史人物事典（朝日新聞出版）『ヴァーベック』‐ コトバンク

関連項目

グイド・フルベッキ
フルベッキ群像写真
立教女学院
立教大学
高橋是清
* 佐々木高行

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