エラマナムー

エラマナムー：輝ける競走馬の生涯

エラマナムーは、アイルランドで生まれ、イギリスで競走生活を送ったサラブレッドです。父はマイラーとして活躍したピットカーン、母はRose Bertinという一勝馬でした。母系には1951年の1000ギニーやコロネーションステークスを制した名牝Belle of Allも名を連ねます。ハイハットを母父に持つ血統背景も、その競走能力を裏付けています。

競走馬としてのキャリアは、2歳時のニューベリーでのメイドンレース勝利から始まりました。その後も勝利を重ねますが、ライバルであるトロイとの間で、幾度となく接戦を繰り広げます。特にヴィンテージステークスやロイヤルロッジステークスでは、互いの実力を示し合う好勝負が展開されました。

3歳時には、ダービーへの挑戦。多くの期待を背負い、レースに臨みましたが、惜しくもトロイに次ぐ4着に終わりました。しかし、ダービー後のキングエドワードステークスでは圧勝。その後はフランス遠征なども経験し、複数の重賞レースで好成績を残しました。

3歳シーズン終了後、エラマナムーは大きな転機を迎えます。高額で取引され、トロイと同じ厩舎に移籍。さらに、トロイと同じ騎手も起用されることになります。この環境変化が、エラマナムーの競走能力を飛躍的に向上させることになります。

4歳シーズンは、まさにエラマナムーの全盛期でした。アールオブセフトンステークス、プリンスオブウェールズステークスと、重要なレースで勝利を重ねます。そして、エクリプスステークス、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスと、英国を代表する重賞レースを連勝。1980年の最優秀古馬の栄誉に輝きました。凱旋門賞にも挑戦するも3着に終わり、競走生活に幕を閉じます。

種牡馬としても、エラマナムーは成功を収めました。パリ大賞典、オイロパ賞を制したSumayr、アラルポカル、アンダーウッドステークス、コックスプレートを制したAlmaaradなど、多くの活躍馬を輩出しました。その子孫は、現代競馬にも影響を与え続けています。

エラマナムーは、その競走成績だけでなく、生い立ちや移籍劇、そして種牡馬としての成功など、様々なドラマチックなエピソードを持つ馬でした。その華麗なる競走生活は、競馬史に永遠に刻まれるでしょう。

血統表

(簡略化のため、主要な血統のみ記載)

父: ピットカーン ()
母: Rose Bertin
母父: ハイハット ()

印は日本に輸入された馬を示す。

脚注

本文中の距離表記は、furlong(約201メートル)をfで、mile(約1609メートル)をmで表しています。また、馬齢は、ヨーロッパ式(誕生年の1月1日時点で1歳となる)で記載しています。

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