コックスプレート

コックスプレート（W. S. Cox Plate）

コックスプレートは、オーストラリア・ビクトリア州メルボルン郊外のムーニーヴァレー競馬場で行われる芝2040メートルの競馬レースです。オセアニアの競馬シーズンが始まる時期に開催されるこのレースは、「伝説が生まれるレース」というキャッチフレーズでも知られており、最強の競走馬を決定する重要な一戦として位置づけられています。

歴史

コックスプレートは1922年に創設され、レース名はムーニーヴァレー競馬場とムーニーヴァレーレーシングクラブ（MVRC）の創立者であるウィリアム・サミュエル・コックスに由来しています。当初は芝9.5ハロン（約1900メートル）で行われていましたが、1943年に芝10ハロンに変更され、その後1972年にはメートル法の施行に伴い芝2000メートルに、1973年には2050メートルに調整されました。1986年からは現在の芝2040メートルで行われています。

コックスプレートは数々の記録を持つレースでもあります。1982年にキングストンタウンが史上初の3連覇を達成したことで、その名は一層有名になりました。さらに、2018年にはウィンクスが史上初の4連覇を果たし、競馬界の歴史にその名を刻みました。また、2019年にはリスグラシューが日本馬として初めて優勝する快挙を成し遂げ、2020年には大会の100回目の開催を迎えました。

賞金

コックスプレートの総賞金は2021年時点で505万豪ドルに達しています。優勝馬には300万豪ドルの賞金とトロフィーが贈呈され、2着には75万豪ドル、3着には37.5万豪ドルといった形で賞金が分配されます。出走馬の成績に応じて、4着から10着までの馬にも賞金が用意されています。

賞金は年々増加しており、2019年には総額5,050,000豪ドルにまで膨れ上がりました。さらに、2020年には第100回記念として賞金が増額され、コックスプレート国際ボーナスシリーズも導入されました。このシリーズでは、特定の競走での優勝馬に対してボーナスが提供される制度で、リスグラシューがその恩恵を受けた事例として挙げられます。

主要な前哨戦

コックスプレートに向けては、いくつかの重要な前哨戦が設定されています。特に注目されるのは、アンダーウッドステークス（G1、芝1800m）やターンブルステークス（G1、芝2000m）、コーフィールドステークス（G1、芝2000m）などです。優勝馬にはコーフィールドカップへの優先出走権が与えられ、これによりさらなるレースへの挑戦が可能になります。

日本調教馬の成績

コックスプレートは日本の競走馬にとっても重要なレースとして位置づけられています。特に最近では、リスグラシューが日本馬初の優勝を果たしたことにより、注目度がさらに高まりました。今後も日本からの挑戦が期待されており、国際的な競馬の舞台での活躍が決定的な意味を持つことでしょう。

コックスプレートはその歴史、競走馬、賞金、そして国際的な影響力において、オーストラリア競馬の中で特別な存在であり続けています。

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