エリク・アンダース

エリク・アンダース：フットボールから総合格闘技への転身、そしてUFCでの活躍

エリク・アンダースは、1987年4月12日、フィリピンのクラーク空軍基地で生まれたアメリカ合衆国の総合格闘家です。母親がアメリカ空軍に所属していたため、幼少期は日本やアメリカ各地を転々としながら過ごしました。しかし、高校時代にはテキサス州サンアントニオに移り住み、アメリカンフットボールに熱中。その才能は高く評価され、名門アラバマ大学に進学。ラインバッカーとして活躍し、2009年のBCSナショナルチャンピオンシップゲームでは重要な役割を果たしました。

大学卒業後は、NFLのクリーブランド・ブラウンズに入団。プロとしてフットボールの世界に挑戦します。しかし、2011年から総合格闘技のトレーニングを開始し、2012年にはアマチュアとして総合格闘技のキャリアをスタートさせました。アマチュア戦績は13勝3敗1分と優秀な成績を残し、2015年にプロデビューを果たしました。

プロ転向後は、BellatorやLFAといった団体で経験を積み、2017年にはLFAミドル級王座を獲得。その実力はUFCの目に留まり、同年7月、UFC on FOX 25でUFCデビューを果たします。対戦相手はハファエル・ナタウでしたが、1ラウンド左ストレートでKO勝ちという衝撃的なデビューを飾りました。

UFCでのアンダースは、強豪相手にも果敢に挑み続けました。リョート・マチダ、チアゴ・サントスといったトップレベルの選手と対戦し、勝利と敗北を経験。その激闘は観客を魅了し、UFCパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを2回、ファイト・オブ・ザ・ナイトを2回受賞するなど、高い評価を得ています。

彼の試合スタイルは、強烈な打撃とアグレッシブな攻めが特徴です。左ストレートやハイキックによるKO勝ちを収めた試合も数多く、会場を沸かせました。特に2018年8月、UFC Fight Night: Gaethje vs. Vickでのティム・ウィリアムズ戦は、3ラウンド終了間際の左ハイキックによる劇的なKO勝ちで、記憶に残る一戦となりました。

しかし、UFCでのキャリアは常に順風満帆ではありませんでした。判定負けを喫する試合もあり、強豪相手に苦戦を強いられる場面もありました。それでもアンダースは、常に前向きな姿勢で試合に臨み、観客を惹きつける魅力的なファイターであり続けました。

2023年6月には、UFC 289でマルク＝アンドレ・バリオーと対戦。判定では敗れたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞し、その高い実力と人気を改めて証明しました。

エリク・アンダースのキャリアは、アメリカンフットボールという異なる競技での成功を基盤に、総合格闘技の世界で独自の道を切り開いた、異色のファイターとしての物語です。彼の今後の活躍にも期待がかかります。

獲得タイトル:

初代LFAミドル級王座 (2017年)

表彰:

UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト (2回)
UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト (2回)

関連情報:

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UFC 選手データ
* エリク・アンダースの戦績 - SHERDOG（英語）

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