エリック・シュールストロム

エリック・ポール・シュールストロムとは

1969年3月25日、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴに生まれたエリック・ポール・シュールストロムは、プロ野球選手として、そして引退後は有能なスカウトとして、日米の野球界でその名を刻んでいます。

高校卒業時の1987年、MLBドラフトでトロント・ブルージェイズから指名を受けますが、進学を選択。カリフォルニア州立大学フレズノ校で腕を磨き、1989年には日米大学野球選手権で米国代表として来日。この時のチームには、後にNPBでも活躍するクリス・ヘイニーやダグ・クリークらがいました。

大学での活躍を経て、1990年のMLBドラフトでボルチモア・オリオールズから2巡目指名を受け、プロ入りを果たします。オリオールズ、サンディエゴ・パドレスの傘下マイナーリーグで経験を積み、1994年にはミネソタ・ツインズで念願のメジャーリーグデビュー。翌1995年にはメジャーで37試合に登板しました。

その後、ボストン・レッドソックス傘下マイナーやメキシカンリーグでのプレーを経て、1998年に日本ハムファイターズに入団し、NPBでのキャリアをスタートさせます。一年目はクローザーとしてチームを支え、7勝を挙げました。翌1999年も抑えとして期待されましたが、シーズン途中で右肩を故障し、この年限りで日本ハムを退団することになりました。

故障からの回復に1年間を費やした後、テスト入団で2001年に広島東洋カープへ移籍します。日本ハム時代のような剛速球は鳴りを潜めましたが、巧みな緩急を操る投球で再び抑えを任されました。しかし、後半戦に再び故障に見舞われ戦線離脱。翌2002年も怪我に苦しみ、シーズン終了後に現役を引退しました。

スカウトとしての手腕

現役引退後、シュールストロム氏はそのキャリアの新たな章を開きます。2003年から広島東洋カープの駐米スカウトに就任。主にアメリカ大陸西海岸エリアを担当し、有為な外国人選手の獲得に尽力しています。一時期、AAA級バッファロー・バイソンズからの獲得が多かった背景には、広島入団前に同球団の監督を務めていたマーティ・ブラウン氏との良好な関係がありました。グレッグ・ラロッカやケニー・レイボーンといった選手は、ブラウン氏がシュールストロム氏に推薦したことで広島入りが実現したと言われています。

彼のスカウトとしての最大の功績は、グレッグ・ラロッカの他、コルビー・ルイス、ブライアン・バリントン、デニス・サファテ、キャム・ミコライオ、クリス・ジョンソンなど、カープのリーグ優勝や躍進に不可欠だった「大当たり」と言える助っ人外国人選手たちを次々と発掘したことです。これらの成功事例から、カープファンからは「安心のシュール便」と称され、絶大な信頼を寄せられています。

人物像とプレースタイル

選手としては、140km/h台後半の力強いストレートと、鋭く落ちるカーブを軸に、フォークボールも織り交ぜる投球スタイルでした。

一方、スカウトとしては非常に陽気な性格で知られています。特徴的なスキンヘッドと大柄な体格を活かしたユーモアを交えながら、マイナーリーグの選手やコーチと積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築いています。その明るい人柄と卓越したスカウト眼が、広島カープの外国人補強を長年支え続けています。

主な記録と背番号

NPB初記録

初登板: 1998年4月11日 対オリックス戦 (東京ドーム)
初奪三振: 同上 (五十嵐章人から)
初勝利: 1998年4月26日 対西武戦 (東京ドーム)
初セーブ: 1998年4月29日 対ダイエー戦 (東京ドーム)

背番号

58: 1994年 - 1995年 (MLB)
23: 1998年 - 1999年 (日本ハム)
* 45: 2001年 - 2002年 (広島)

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