エルスワース・バインズ

エルスワース・バインズの生涯

エルスワース・バインズ（Ellsworth Vines）は、1911年にアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスで誕生した男子テニスプレーヤーです。彼は、1930年代のテニス界において目覚ましい功績を収め、特に全米選手権やウィンブルドン選手権での成功が際立っています。バインズは、1931年および1932年に全米選手権、さらに1932年にはウィンブルドン選手権で優勝し、トータルで4大大会で3つのタイトルを手にしました。

競技キャリアのスタート

バインズは1930年から1933年の4年間、アマチュア選手として活躍しました。彼のテニスキャリアは、1930年の全米選手権に初めて参加したことから始まりましたが、初出場では3回戦で敗退。しかし、翌年の1931年に再度挑戦し、決勝に進出。ジョージ・ロットを破って嬉しい初優勝を果たし、その年は彼の名を一気に広めました。

1932年には、バインズのテニスキャリアが最高潮に達しました。彼はウィンブルドン選手権での優勝を含む4大大会で2連勝を収め、素晴らしいパフォーマンスを見せました。ウィンブルドンでは、準決勝以降の3試合をすべてストレートで勝ち上がり、決勝では地元イギリスの選手ヘンリー・オースチンに圧倒的なスコアで勝利しました。

ダブルスでの成功

バインズはシングルスの成功だけではなく、ダブルスでもその名を馳せました。特に1932年の全米選手権では、男子ダブルスでキース・グレッドヒルと組み、優勝を飾っています。彼とグレッドヒルのコンビは、4大大会でのダブルスでも2回の優勝を果たしました。1933年の全豪選手権では、単独でのシングルスでは敗退したものの、男子ダブルスでは再度優勝を果たしました。

プロへの転向と日本訪問

バインズはアマチュア時代の後、1934年にプロテニス選手への転向を決意し、プロ契約を結びます。プロテニス選手としての彼の一環として、1936年には日本を訪れ、国際プロテニスの普及に貢献しました。この日本での旅行では、ビル・チルデンや女子選手のシャープと共に試合を行い、東京や大阪、名古屋の各都市で日本のファンにその技術を披露しました。

最後のキャリアと功績

エルスワース・バインズは、1930年代の終わり頃からテニスへの関心を失い、プロゴルファーに転向しました。ゴルフにおいてもその才能を発揮し、1951年の全米プロゴルフ選手権ではベスト4に進出。1977年にはウィンブルドン選手権の100周年記念式典に参加し、歴代優勝者の一人として特別なメダルを授与されました。1994年に82歳で亡くなるまで、彼の名前はテニス界やスポーツ界に強く残り続けました。

エルスワース・バインズのキャリアは単なるテニス選手としての成功だけでなく、プロとしての活動や新たなスポーツへの挑戦を通じて、彼の多面的な才能を示したものでした。

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