エルマンノ・ヴォルフ＝フェラーリ

エルマンノ・ヴォルフ＝フェラーリは、1876年1月12日に水の都ヴェネツィアで生を受けたイタリアの作曲家です。ドイツ人の画家であった父とイタリア人の母のもとに生まれ、その生い立ちからもイタリアとドイツ、双方の文化の影響を受けて育ちました。彼は特にオペラの分野で知られ、1948年1月21日に故郷ヴェネツィアで72年の生涯を閉じるまで、多作な活動を展開しました。

ヴォルフ＝フェラーリのキャリアは、意外にも音楽からではなく、父の後を追うように絵画から始まりました。ローマで美術を学んでいましたが、次第に音楽への強い情熱に目覚め、ドイツのミュンヘンへと移り住んで作曲家への道を歩むことを決意します。ミュンヘン音楽学校では、対位法をヨーゼフ・ラインベルガーに師事しましたが、正規の課程を修了することはありませんでした。しかし、1890年代にはすでに作曲活動を積極的に開始していました。

初期のオペラ作品『チェネレントラ』は、1900年にヴェネツィアで初演されましたが、当初は成功とは言えませんでした。ところが、後にドイツのブレーメンで上演されると好評を博し、これが彼の作品がしばしばイタリア本国よりもドイツ語圏で先に評価されるという、その後のキャリアにおける特徴的な傾向の先駆けとなりました。『せんさく好きな女たち』、『4人の田舎者』、そして機知に富む一幕物『スザンナの秘密』といった代表的なコミック・オペラも、いずれもドイツでの初演で成功を収めています。これらの作品の多くは、18世紀イタリアの著名な劇作家カルロ・ゴルドーニの戯曲を原作としており、ヴォルフ＝フェラーリは伝統的なオペラ・ブッファの様式を受け継ぎつつ、洗練された音楽と巧みな劇作術で新たな息吹を与えました。

1911年に発表された悲劇オペラ『マドンナの宝石』は、彼の作品の中でも特に知られており、特にその情感豊かな間奏曲はしばしば単独で演奏される機会があります。しかし、第一次世界大戦の勃発は彼の活動に暗い影を落としました。主な活動拠点であったミュンヘンとヴェネツィアでの作曲活動が困難となり、スイスのチューリッヒへの移住を余儀なくされます。この期間は作曲数が減少しましたが、1920年代にはシェイクスピアの『じゃじゃ馬ならし』に基づく『天の衣』や、シャルル・ペローの童話『ロバの皮』を題材とした『スライ』など、文学作品にインスパイアされた意欲的な作品を発表しています。戦後、1939年にはザルツブルク・モーツァルテウム大学で作曲科の教授を務め、後進の指導にあたりました。1946年には再びチューリッヒを経て、人生の最晩年を過ごすために故郷ヴェネツィアへと戻りました。彼は1948年1月21日、ヴェネツィアのマリピエロ宮殿でその生涯を閉じ、遺体は静かなサン・ミケーレ島に埋葬されました。

ヴォルフ＝フェラーリはオペラ作品によって最もよく知られていますが、生涯の最初期と最後に集中的に多くの器楽曲も作曲しています。オペラにおいては、コミック・オペラの分野でイタリアの最も優れた作者の一人と見なされる一方で、『マドンナの宝石』のような悲劇や、同時代のヴェリズモの影響を感じさせる作品も手掛けました。しかし、これらのより重厚な作品は、同時代の巨匠たちの強烈な個性と比べると、必ずしも高い評価を得られず、彼の多くの作品が今日ではあまり広く演奏される機会がありません。それでも、彼の音楽への関心は近年少しずつ高まっており、1999年のワシントン・オペラによる『スライ』のアメリカ初演はその再評価の小さなきっかけとなりました。また、ピアニストのコスタンティーノ・カテーナは彼の器楽曲を精力的に録音し、新たな光を当てています。器楽曲の中では、ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品26が比較的演奏される機会が多く、他にも牧歌的協奏曲、イングリッシュホルンのための小協奏曲、室内楽曲など、多岐にわたる作品を残しています。彼はまた、モーツァルトのオペラ『イドメネオ』の改訂も手掛けるなど、既存の作品への深い理解も示しています。指揮者として活躍した甥のマンノ・ヴォルフ＝フェラーリも音楽の世界でその名を残しています。エルマンノ・ヴォルフ＝フェラーリの音楽は、その抒情性、古典的な明快さ、そして劇的な表現力を兼ね備えており、今後のさらなる評価と演奏機会の増加が期待される作曲家と言えるでしょう。

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