エルモ・ズムウォルト・ジュニア

エルモ・ラッセル・ズムウォルト・ジュニアの生涯

エルモ・ラッセル・ズムウォルト・ジュニア（1920年11月29日 - 2000年1月2日）は、アメリカ合衆国の著名な海軍軍人であり、その最終階級は海軍大将です。彼は1970年に第19代アメリカ海軍作戦部長に就任し、海軍の重要な時期においてさまざまな役割を果たしました。

初期の経歴

ズムウォルトは1939年に海軍兵学校に入学し、1942年に少尉として任官され、駆逐艦「フェルブス」に配属されました。その後、彼は太平洋戦線での各種作戦に従事し、レイテ沖海戦にも参加します。戦後、彼は日本海軍の砲艦「安宅」の接収作業を担当し、その後上海で活動を行いました。戦後の彼の経歴は、海軍内でのキャリアを着実に積むことを特徴としていました。1946年から1948年にかけて、彼はノースカロライナ大学で予備役将校訓練課程の教官として寄与した後、いくつかの艦艇の艦長を務めました。

海軍大学校と人事局勤務

ズムウォルトは1952年に海軍大学校に入校し、修了後は人事局に勤務しました。ここでは、特に健康保健制度の立法に携わり、その後もさまざまな職務を歴任しました。1959年には、駆逐艦「デューイ」の初代艦長に就任し、国家政策においても重要な役割を果たしました。

ベトナム戦争での活動

彼のキャリアの中で特に注目されるのがベトナム戦争です。少将に昇進後、1965年には第7巡洋駆逐艦隊の司令官として任官され、南ベトナム軍事援助司令部の海軍顧問団長にも就任しました。この役割では、陸軍部隊をサポートするために沿岸部や河川で活動する海軍部隊を指揮し、息子であるエルモ・ラッセル・ズムウォルト3世なども参加しました。但し、彼が実施した枯葉剤作戦には後に多くの問題が浮上しました。ズムウォルトの息子もこの薬物により健康被害を受け、その影響は後の世代にまで及びました。

海軍作戦部長としての指導

1970年、ズムウォルトはリチャード・ニクソン大統領によって海軍作戦部長に指名され、就任します。彼は在職中、老朽した艦艇の更新を進めたいくつかの取り組みを行いましたが、内部の対立や反発にも直面しました。特に、ハイマン・G・リッコーヴァーとの間で艦艇の選定に関して異なる意見がありましたが、最終的にオリバー・ハザード・ペリー級ミサイルフリゲート等の艦艇が進水しました。彼は1974年に退役しました。

退役後の活動

ズムウォルトは退役後も政治活動を行い、1976年にはバージニア州から上院議員候補として出馬しましたが、当選は果たせませんでした。その後、アメリカン・メディカル・ビルディング社の社長に就任し、ビジネスにおいても成功を収めました。2000年には、長年の海軍勤務が原因とされる悪性中皮腫で亡くなりました。

彼の遺産

ズムウォルトの名を冠したステルスミサイル駆逐艦「ズムウォルト」が2016年に就役し、その艦にエルモとラッセルという名の艇が搭載されています。彼の生涯と業績は今もなお、アメリカ海軍の歴史において重要な位置を占めています。

もう一度検索