エレクトラモーティブ

エレクトラモーティブ（Electramotive）について

エレクトラモーティブは、1975年にドン・デベンドーフとジョン・ネップによって設立されたレーシングチーム及びレーシングカーコンストラクターです。このチームは主に日産車を使用し、IMSAシリーズを中心に活動していました。

1980年代の躍進

エレクトラモーティブは、1980年代後半にVG30エンジンを独自にチューニングし、日産・GTP ZX-Tを開発しました。このマシンはIMSA-GTPシリーズで圧倒的な強さを見せ、数々のレースで勝利を収めました。また、VG30エンジンは日本国内で開催される全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権（JSPC）でも広く使われました。

日産との協力関係

1989年には、エレクトラモーティブのモータースポーツ部門がニッサン・パフォーマンス・テクノロジー（NPTI）へと移行し、公式に日産のワークス活動を担うことになります。この転換により、より一層強固な体制のもとでレーシング活動を進めることが可能となりました。

ル・マン24時間レースと新車開発

1990年にはル・マン24時間レースに日産・R90CKを2台エントリーしました。このうち1台はファステストラップを記録したものの、トラブルが続き、最終的には1台が17位、もう1台はリタイアという結果に終わりました。この年、エレクトラモーティブはIMSA用に日産・NPT-90を開発し、ジャガー・XJR-10やトヨタ・イーグルMkIIIといった競合と激しいバトルを展開しました。

1992年にも日産・P35を開発し、同年のデイトナ24時間レースでは日産・R91CPが優勝。その際の現地でのサポートもエレクトラモーティブが行いました。

活動の終息とその後

しかし、1993年3月にNPTIは活動を休止することになります。この決断は、CART（後のチャンプカー・ワールド・シリーズ）への参戦計画がある中で、急なものでした。内情としては、当時の北米日産の社長が病気で倒れたため、後任の社長が方針を転換し、NPTIの解散を決定したとのことです。また、同時期に日本の日産本体も経営難となり、NPTIを存続させるための支援が困難な状況でした。

その後も、エンジンのメンテナンスショップはジャンピエロ・モレッティのNPT-90のために活動を続けましたが、エレクトラモーティブとしての活動はその姿を消しました。レーシングチームとしてのエレクトラモーティブの歴史は、数々の成功と共に語り継がれることでしょう。

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