エレナ・タタルコワ

エレナ・タタルコワは、1976年8月22日にタジキスタンのドゥシャンベで生まれたウクライナの元女子プロテニス選手です。彼女はベースライン・プレーヤーとして、特にバックハンド・ストロークを最大の武器としました。左利きの選手で、自己最高ランキングはシングルス45位、ダブルス9位です。WTAツアーではシングルスの優勝こそありませんでしたが、ダブルスで4勝を挙げています。

プロ入りと初期のキャリア

タタルコワは母親の勧めで10歳からテニスを始め、1993年5月にプロ入りしました。翌1994年からは、女子テニス国別対抗戦・フェドカップのウクライナ代表選手として活躍しました。早くからダブルスの分野で才能を発揮し、1996年の全仏オープンで4大大会女子ダブルスに初挑戦を果たしました。

グランドスラムでの活躍

1998年全豪オープンで初のシングルス本戦出場を果たし、同年の全仏オープンでは3回戦に進出しました。この3回戦が、タタルコワにとって4大大会女子シングルスでの自己最高成績となります。

1999年1月には、オーストラリア・ホバート大会でマリアン・デ・スウォートとのペアで女子ツアーダブルス初優勝を飾りました。そして、同年のウィンブルドン女子ダブルスでは、デ・スウォートとのペアで準決勝に進出。第1シードのヤナ・ノボトナ&ナターシャ・ズベレワ組を破り、ウクライナ人女性として初めてウィンブルドン決勝の舞台に立ちました。決勝ではリンゼイ・ダベンポート&コリーナ・モラリュー組に敗れましたが、準優勝という輝かしい成績を残しました。

ウィンブルドンでの準優勝後、2001年全仏オープン女子ダブルスではジュスティーヌ・エナンとペアを組み、ベスト4に進出しました。準々決勝では激戦を制したものの、準決勝で敗退しています。

杉山愛とのペア

2002年2月には、アメリカ・テネシー州メンフィス大会で日本の杉山愛とペアを組み、優勝を果たしました。この優勝は、タタルコワにとって3年ぶりのツアー優勝となりました。2003年シーズンにはダブルスで年間2勝を挙げ、WTAツアーダブルス優勝は通算4勝となりました。

フェドカップとオリンピック

タタルコワは2004年までフェドカップ代表選手を務め、通算勝利数、シングルス通算勝利数、ダブルス通算勝利数の3部門でウクライナ・チームの歴代1位記録保持者となりました。オリンピック代表としても、2000年シドニー五輪の女子ダブルスに出場しています。

引退後

競技経歴は2004年にほぼ終えましたが、2006年11月にイギリスの下部トーナメントのダブルス戦に出場した記録が残っています。2007年9月に結婚し、その後2児をもうけています。

主な戦績

ウィンブルドン女子ダブルス準優勝：1999年（マリアン・デ・スウォートとペア）
WTAツアードブルス優勝：4回

エレナ・タタルコワは、ウクライナのテニス界に大きな足跡を残した選手として、記憶されています。

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