エンタープライズ (軽巡洋艦)

HMSエンタープライズの概要

HMSエンタープライズは、イギリス海軍のエメラルド級軽巡洋艦として1918年に起工され、1919年に進水、1926年に就役しました。その設計には、標準的な単装砲塔に代わって試作された6インチの連装砲塔が搭載され、その後の艦艇にも影響を与えました。特にブリッジの配置と設計は、後の艦艇の設計にも採用されました。

艦歴の始まり

戦前、エンタープライズは本国海域での任務を経た後、東インド諸島の第4巡洋艦戦隊に加わりました。ここでの初めての重要な任務は、1928年に開催されたラグビーのエンタープライズカップでの参加でした。その後、いくつかの任務をこなして1934年に帰国し、大規模な改装を受けた後、再び1936年に東インドに戻りました。

エンタープライズの歴史的な出来事の一つは、1936年にエチオピア皇帝ハイレ・セラシエ1世を救出したことです。皇帝はイタリアの侵攻から逃れ、エンタープライズによって英国へ運ばれました。1938年にはアスローン伯爵夫人が本艦に搭乗し、サウジアラビアを訪問するなど、様々な任務をこなしました。

第二次世界大戦における活躍

1939年9月、エンタープライズは再就役し、大西洋での哨戒任務に配備されました。それから数ヶ月間、ハリファックス護衛隊と共に護衛任務を担当しました。特に1940年4月、ノルウェーの戦いに参加し、イギリス軍の上陸を支援しました。この戦闘ではドイツの潜水艦による攻撃を受けるも、冷静に任務を遂行しました。

地中海での活動後、1941年にはインド洋に派遣され、ドイツの装甲艦アドミラル・シェーアの捜索にも従事しました。また、1942年4月のセイロン沖海戦では、撃沈された巡洋艦の生存者を救出する重要な救助活動を行いました。

ノルマンディー上陸と戦後

1944年、エンタープライズはノルマンディー上陸作戦に参加。「A」砲撃部隊の一員として、サン＝マルタン＝ド＝ヴァールヴィルを砲撃しました。この作戦では、約9000発の砲弾を発射し、重要な役割を果たしました。7月には作戦支援のためにフランス沿岸で活動し、ドイツ軍の砲台を沈黙させました。

戦後、エンタープライズはアジア・アフリカからの英国軍の帰還を支援し、1946年にイギリスに戻りました。その後、1947年4月に解体の運命を迎えました。

兵装の変遷

エンタープライズは、その長いサービス期間中にいくつかの兵装改装を行い、その都度新しい技術を取り入れながら進化を続けました。特に、その搭載武器体系の変遷は、艦の能力を向上させ、戦闘時における機動力を確保するために重要でした。

エンタープライズは、その歴史的な艦歴を通じて多くの戦争の出来事に関与し、イギリス海軍における重要な存在であり続けました。

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