エンダーベリー島

エンダーベリー島は、太平洋に浮かぶキリバス共和国のフェニックス諸島に属する、面積約1.6平方キロメートルの珊瑚礁の島です。この島は、かつてカントン島と共に、イギリスとアメリカ合衆国による共同管理地であったという歴史を持っています。現在は無人島となっており、手付かずの自然が残されています。

発見と命名

エンダーベリー島は1823年、イギリスの捕鯨船の船長ジェームズ・コフィンによって発見されました。島の名は、ロンドンの著名な捕鯨商人であったサミュエル・エンダーベリーにちなんで名付けられました。

グアノ採掘の歴史

19世紀に入ると、エンダーベリー島はグアノ資源の豊富な島として注目されるようになります。グアノは肥料の原料となるため、採掘権を巡ってアメリカ合衆国が島の所有を主張しました。1877年、アメリカは一旦島の権利を放棄しますが、その後、イギリスのグアノ会社が採掘を引き継ぎました。この時期、島は資源採掘の拠点として利用され、一時的に人が居住していました。

米英共同管理時代

1938年、アメリカ合衆国のフランクリン・ルーズベルト大統領は、エンダーベリー島を近隣のカントン島と共にアメリカの管理下に置くことを宣言しました。これを受けて、アメリカ沿岸警備隊が島にキャンプを設営し、駐留を開始しました。1939年以降の50年間は、イギリスとの共同管理地として、両国の協力体制下で島の管理が行われました。

海鳥の楽園

エンダーベリー島は、現在、数多くの海鳥の生息地として重要な役割を果たしています。島には多種多様な海鳥が生息しており、繁殖地や休憩地として利用されています。人の手がほとんど入っていない自然環境が、海鳥たちにとって理想的な生息環境を提供していると考えられます。島は、海洋生態系においても重要な位置を占めており、その保全が課題となっています。

エンダーベリー島は、その小さな面積の中に、発見からグアノ採掘、米英共同管理という複雑な歴史を秘めています。現在は無人島となり、海鳥たちの楽園として静かに佇むこの島は、太平洋の島嶼の歴史と自然を物語る貴重な存在と言えるでしょう。

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