エンドウ (鉄道模型メーカー)

株式会社エンドウ：日本の鉄道模型を牽引する老舗メーカー

株式会社エンドウは、東京都昭島市に本社と工場を置く、日本の鉄道模型メーカーです。主に16番ゲージの日本型鉄道車両模型を製造しており、その精巧な作りと高い品質で、長年にわたり多くの鉄道模型ファンから支持されています。

歴史と技術

かつては遠藤商店として、TER（Tokyo Endo Rail）の略号を用いて活動していました。金属プレス成型技術に強みを持ち、その技術を活かした電車、気動車、電気機関車などの車両模型が主力製品です。かつてはカツミ模型（KTM）と密接な関係にあり、共同で製品を市場に供給していましたが、現在は両社とも独自に展開しています。

創業以来培ってきた金属プレス成型技術は、真鍮製の車体を正確に、効率的に製造する上で大きな役割を果たしています。車体だけでなく、床下機器や屋上機器といった細かなパーツにも、その技術が活かされています。近年では、自社設計のMPギアと呼ばれる、耐久性と汎用性に優れた動力装置を開発し、製品に搭載しています。

過去には、アメリカ向けにHOゲージ、日本国内向けにNゲージやナローゲージなども製造していましたが、現在は16番ゲージ日本型に注力しています。幅広い製品ラインナップに加え、線路、制御機器、アクセサリーなども製造しており、鉄道模型を楽しむための様々なニーズに対応しています。鉄道模型以外の事業としては、かつては日産自動車の下請け工場としての活動も行っていました。

製品の特徴

エンドウの製品は、その精巧な作りと高い完成度が特徴です。

16番ゲージ日本型車両: 完成品とキットがあり、キットには動力装置やパーツ類も別売されています。真鍮製の車体、ホワイトメタル製の床下機器、そして一部プラスチックパーツを使用することで、細部までリアルに再現されたモデルが実現しています。多くの完成品にはヘッドライトや室内灯が搭載されています。JRの最新型電気機関車から、他社ではあまり製造されていない私鉄車両まで、幅広い車種をラインナップしています。PRUSシリーズでは、プラモデルメーカーのハセガワとのコラボレーションにより、プラスチック製車体にエンドウ製の台車や動力装置を組み込んだ製品も展開されています。

16番ゲージ線路: ニューシステム線路と呼ばれる、白色プラスチック成型による組み立て式線路です。道床付きの二線式で、直線、曲線、ポイントのほか、伸縮レールや他社製品との接続用ジョイントレールなども用意されています。架線柱などのアクセサリーも充実しており、よりリアルなレイアウト作りをサポートします。

制御機器: パワーパックEP-70は、出力3アンペア、0～12ボルトの制御機器で、エンドウ製品以外に多くの他社製品にも使用可能です。

MPギア: ユニバーサルジョイントと密閉型ギアユニット、キヤノン製モーターを組み合わせた動力装置。耐久性と汎用性に優れ、自作派の愛好家にも人気があります。

その他

エンドウでは、本社内に設置されたレイアウトを用いて、年に数回「公開運転会」を開催しており、多くの鉄道模型愛好家が訪れます。2014年には康栄コーポレーションのグループ企業となり、さらなる発展を遂げています。

過去の製品

エンドウは過去に、軽Nゲージ、Nゲージ線路、ナローゲージ製品なども製造していました。これらの製品も、その時代の技術を結集した、高い完成度を誇るものでした。

株式会社エンドウは、これからも日本の鉄道模型文化の発展に貢献していくことでしょう。その精巧な技術と、鉄道模型への情熱は、これからも多くのファンを魅了し続けるでしょう。

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