エヴァンズ (DD-552)

エヴァンズ（USS Evans, DD-552）

エヴァンズはアメリカ海軍に属する駆逐艦であり、フレッチャー級の一艦です。その艦名はアメリカ海軍の将校ロブリー・D・エヴァンズに由来しており、同名を持つ艦船としては2番目となります。

艦歴

エヴァンズは1942年10月4日にアラバマ州チカソーのガルフ造船所で建造が始まり、C・E・イッシャーウッド夫人の名付けによって進水しました。1943年12月11日に正式に就役し、その運命の航海が始まりました。

初めは東海岸を起点にして真珠湾を経由し、1944年3月29日にマジュロに到着。ここでは補給艦「シマロン」を大洋の給油地点まで護衛しました。その後は5月13日までマーシャル諸島の日本の領海近くで対潜哨戒任務に従事しました。

ハワイ諸島での訓練を終えた後、エヴァンズは6月3日に真珠湾を出港し、6月15日から始まったサイパンの戦いにおいて第58任務部隊の補給部隊を護衛しました。マリアナ諸島の制圧後も、この補給部隊の護衛に従事し続けました。

1944年8月26日にはエニウェトク環礁を出発し、10月30日にはウルシー環礁に到着。ここでパラオ攻撃のための補給部隊を護衛し、1945年1月11日までその地域で哨戒および護衛任務に当たりました。さらに対潜哨戒の任務や硫黄島への上陸部隊の護衛も行ないました。

1945年3月21日、エヴァンズは沖縄戦に参加する護衛空母を支援するためウルシー環礁を出発しました。そして、4月1日から5月2日にかけて慶良間諸島に入港し、ここでも護衛任務を果たしました。

その後の5月10日から11日にかけては、駆逐艦「ヒュー・W・ハドレイ」と共に沖縄北西の通信基地に向けて出航しましたが、この際特攻機の攻撃を受けました。エヴァンズは多くの特攻機を撃墜しましたが、次々と襲いかかる突入に遭い、機関室に浸水が起こり電源を喪失しました。乗組員は必死に消火作業を行いましたが、32名が命を落とし、27名が負傷しました。5月14日には慶良間諸島に曳航され、応急修理を受けましたが、その勇敢な姿勢が評価され、大統領殊勲部隊章が授与されました。

退役

応急修理を終えた後、エヴァンズはサンフランシスコに曳航されましたが、1945年11月7日には退役しました。1945年11月28日には海軍の船籍から抹消され、1947年2月11日までに最終的にスクラップ処分とされました。

受章

エヴァンズのその戦功は高く評価され、大統領殊勲部隊章に加え、第二次世界大戦の戦績により5つの従軍星章を受けています。

この艦船は、数多くの歴史的瞬間に立ち会い、その勇敢な行動によって海軍の伝説となりました。

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