マジュロ

マジュロ：マーシャル諸島共和国の首都

マジュロは、マーシャル諸島共和国の中央に位置する環礁であり、同国の首都でもあります。太平洋戦争関連の書籍では「メジュロ環礁」と表記されることも多いこの地は、64もの小島から成り立っています。第二次世界大戦後、主要な12の島は埋め立てられ、一体化されました。現在では、ローラ、アジャルタケ、ロング・アイランド、デラップ、ウリガ、ダリット（リタ）の6つの地区に分かれています。かつてマジュロ島と呼ばれた最大の島は、現在ローラ地区として知られています。

マジュロ環礁：地理と都市構造

環礁の総面積は、陸地がわずか9.7平方キロメートルである一方、礁湖（ラグーン）は295平方キロメートルと広大です。2011年時点の人口は約2万7797人でした。環礁の中心となるのは、デラップ、ウリガ、ダリットの3地区です。商業の中心地はウリガ地区にあり、政府機関はデラップ地区に集中しています。ダリット地区は主に住宅地となっています。マジュロという名称は、マーシャル語で「ふたつの入口」を意味します。この名前は、環礁の形状に由来していると考えられます。

歴史：植民地時代から独立へ

マジュロの歴史は、スペインとドイツの植民地時代から始まります。第一次世界大戦後、国際連盟の決定により、日本はマジュロを含むマーシャル諸島の委任統治権を獲得しました。1922年には、南洋庁の支庁が設置され、日本の統治下でインフラ整備が進みました。それまで、ドイツの植民地支配下では十分に整備されていなかった電気や水道、学校、病院などが建設され、生活環境の改善に大きく貢献しました。第二次世界大戦後、アメリカ合衆国の統治下に置かれた後、マーシャル諸島共和国が独立を果たし、マジュロは首都となりました。

気候：熱帯雨林気候

マジュロの気候は、ケッペンの気候区分で熱帯雨林気候（Af）に分類されます。年間を通して高温多湿な気候が特徴です。

交通：島内と空港

島内では、主要な道路は舗装されており、自家用車やタクシーが主な交通手段となっています。バス路線も存在します。空路では、マジュロ国際空港が重要な役割を果たしています。マーシャル諸島航空のハブ空港として機能し、ユナイテッド航空によるホノルルやグアムへの直行便、ナウル航空なども就航しています。

姉妹都市

マジュロは、グアム（アメリカ合衆国）、河合町（日本・奈良県）、台北市（中華民国）と姉妹都市提携を結んでいます。

文化：詩に詠まれたローラ・ビーチ

詩人、池澤夏樹の詩集『塩の道』（1978年）に収められている「ローラ・ビーチ」は、マジュロ環礁のローラ地区に隣接する海岸を題材にしています。この詩は、木下牧子によって合唱組曲「ティオの夜の旅」に編曲され、現在でも多くの合唱団によって歌い継がれています。

まとめ

マジュロは、歴史と自然が織りなす魅力的な都市です。日本の委任統治時代の遺産も残り、現代では国際空港を擁する重要な交通の要衝となっています。熱帯雨林気候と美しい環礁の景観は、多くの観光客を魅了しています。また、詩や音楽といった文化面にも影響を与え続けていることが伺えます。

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