エーデルワイス (鉄道車両)

エーデルワイス：JR東日本のジョイフルトレイン

エーデルワイスは、1988年から2002年まで東日本旅客鉄道（JR東日本）が保有していた、キハ58形・キハ28形気動車を改造したジョイフルトレインです。盛岡支店（後の盛岡支社）向けに土崎工場（現・秋田総合車両センター）で改造され、JR東日本初の普通車扱いのジョイフルトレインとして、団体臨時列車や臨時快速列車などに使用されました。

編成

3両編成で、各車両は以下の通りです。

1号車：キハ58 744
2号車：キハ28 2509
3号車：キハ58 619

3両とも普通車扱いのため、車両番号は変更されていません。

構造

車体

改造当初、車体側面では前位の出入口扉と戸袋窓、最後部の客室窓1枚が塞がれ、出入口は後方1箇所のみとなりました。先頭車となるキハ58 619・744では、前位の出入口扉と戸袋窓の跡に客室窓が新設され、中間車となるキハ28 2509では大きな固定式一枚窓が設置されました。

前面は、3両とも客室からの展望を確保するため、助士側の窓が拡大され、パノラミックウインドウに変更されました。貫通扉の窓下にはヘッドサインが設置されています。キハ28 2509は、種車が後期製造のモデルチェンジ車であったため、運転室前面窓がパノラミックウインドウで、前面下部にスカートが付いています。

車体塗装は、当初はエーデルワイスをイメージした白色地に青・水色・赤・山吹色の模様が入った明るいものでしたが、1992年に灰色地に窓周りを紫色とした落ち着いた外装に変更されました。

車内

内装は洋風に改装され、座席は背面に大型テーブルを内蔵した横4列のリクライニングシートが採用されました。客室中央部には、カラオケ装置、ビデオ、モニターテレビ、ステージが設置され、客室を二分する形となりました。3両とも前位のデッキは撤去され、キハ58 619・744では客室の一部となり、キハ28 2509ではラウンジに改造されました。天井の蛍光灯はグローブ付きとなり、窓の日よけは横引きカーテンに変更されました。

客室と後部デッキの間には荷物置場が新設され、運転室は客室からの展望を可能とするため、半室構造に改められました。キハ58 744には、運転室と客室の間にテレホンカード専用の公衆電話が設置されました。

運用

落成後、盛岡客車区（後の盛岡車両センター）に配置され、1988年12月から営業運転を開始しました。団体臨時列車などで活躍し、1990年にはエンジンがDMF13系に換装、1992年には車体塗装が変更されました。

1999年と2000年の夏には、臨時快速列車「リアス・シーライナー」にも使用されました。

2001年7月28日には、盛岡 - 青森間で「さよならエーデルワイス」としてさよなら運転が実施され、その後は保留車となり、2002年11月1日付けで廃車となりました。

関連項目

ジョイフルトレイン

参考文献

* 交友社『鉄道ファン』1989年1月号（通巻333号）p64-65 JR東日本 盛岡支店の新ジョイフルトレイン エーデルワイス

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