オエクシ＝アンベノ

オエクシ＝アンベノ：東ティモールの飛び地

オエクシ＝アンベノは、東ティモール民主共和国に属する飛び地の県であり、インドネシア領の西ティモールに囲まれた特異な地理的状況にあります。一般にはオエクシ県として知られていますが、アンベノ県とも呼ばれることもあります。面積は815平方キロメートルで、パンテ・マカッサルを県都とし、ニティベ、オエシロ、パシサベの4つの地区に分かれています。2004年の時点で、人口は58,521人とされています。

歴史的背景

ポルトガル人がこの地に上陸する以前、ティモール島西部は仏教やイスラム教の影響を受けていましたが、東部は現地のアニミズムが主流でした。16世紀初頭、ポルトガル人修道士がオエクシに上陸し、カトリックを広めました。オエクシは当時リファウという王国が存在していましたが、1515年にポルトガルがティモール島を植民地化するため、2人の修道士を派遣してリファウに上陸させたことが、ポルトガルによる支配の始まりです。

その後、オランダがティモール島西部の支配権と資源開発を主張し、ポルトガルとの間で激しい争奪戦が繰り広げられました。両国は要塞を築き、衝突を繰り返しましたが、1914年に両国の間で国境線が最終確定しました。その結果、西部はオランダ領東インドの一部、東部はポルトガル領ティモールとなりました。この時、オエクシは地理的に西部に位置しながらも、ポルトガル領ティモールの一部として組み込まれることになりました。

20世紀後半になると、東ティモールではポルトガルからの独立運動が高まりました。一方、オランダから独立したインドネシアは、1975年に軍を東ティモールに侵攻し占領しました。しかし、2002年に東ティモール民主共和国がインドネシアから独立を果たすと同時に、オエクシも東ティモールの飛び地県として正式にその一部となりました。

オクシ＝アンベノ首長国政府を名乗る組織の偽情報

1980年代には、ニュージーランドにおいて「オクシ＝アンベノ首長国政府」を名乗る独立主張組織が現れましたが、これはブルース・グレンヴィルというニュージーランド人のアナキストであり、アーティスタンプのプロデューサー（芸術家）が仕掛けたデマであることが判明しています。この事件は、情報操作の巧妙さと、その拡散の早さを示す事例として知られています。

まとめ

オエクシ＝アンベノは、その地理的な特殊性と複雑な歴史的背景を持つ地域です。ポルトガルとオランダによる植民地支配の歴史、そして独立後の東ティモールにおける飛び地としての存在は、オエクシ＝アンベノを独特な地域として特徴づけています。その歴史と現状を理解することは、東ティモールの多様性を知る上で重要な要素となります。

外部リンク

Ocussi Ambeno District (East Timor)
Sultanate of Okusi-Ambeno
* 世界飛び地研究会 - オエクシ - ウェイバックマシン（2003年2月4日アーカイブ分）

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