オオセタカガメ

オオセタカガメ (Batagur dhongoka)

オオセタカガメは、イシガメ科に属し、アジアカワガメ属に分類されるカメです。この種は主にインド北部やバングラデシュのガンジス川水系に生息しています。

分布と生息環境

オオセタカガメは、標高500メートル未満の流れが速く水深のある大型河川や、その周辺に広がる氾濫原や湖沼、湿原などに生息しています。特に水の流れや水深を重視しており、適切な生息地を確保することが生存に不可欠です。

形態

最大で甲長48センチメートルに達し、オスよりもメスの方が大きくなります。オスは甲長が26センチメートル未満であり、背甲は扁平で後方が幅広い卵型をしています。背甲には第2および第3椎甲板の後部に突起状のキールがあり、これらは特徴的な外見を与えています。また、背甲の色はオリーブ色で、時折3本の暗褐色や黒の筋模様が見られることがあります。メスは特に年齢が上がるにつれて、模様が不明瞭になることがあります。

頭部はやや大型で、扁平な形状をしています。吻端が突出しており、上顎の先端は凹んでいます。色彩はオリーブ色から褐色、暗褐色に変化し、吻端から眼、鼓膜、側頭部には淡黄色の筋模様が入ることがあります。

卵は長さ4.6 - 6.62センチメートル、短さ3.2 - 4.12センチメートルで、幼体は明瞭なキールを有し、腹甲には赤や褐色の斑紋があります。成体へと成長するにつれて、これらの模様は消失します。

分類

かつてはセタカガメ属のKachugaに分類されていましたが、2007年に行われた分子系統解析の結果に基づき、カラグールガメやバタグールガメが含まれない側系統群として扱われるようになり、より古い記載のバタグールガメ属に再分類されました。

生態

オオセタカガメは、飼育下では幼体が雑食性である一方、成長するにつれて女性は植物食へと移行します。繁殖は卵生であり、インドの個体群は毎年3月から4月にかけて15 - 35個の卵を産むことが特徴です。卵は5月から6月に孵化し、飼育下では温度によって孵化日数が変わります。22℃の環境下では83 - 89日、33℃では56 - 58日に孵化した例があります。

人間との関係

オオセタカガメの種小名「dhongoka」は、ヒンディー語でこの種を指す用語に由来しています。また、地域によっては卵を含む個体が食用として利用されることがあります。

しかし、河川の改修やダムの建設による生息地の喪失、水質汚染、乱獲により、この種の個体数は減少しています。2003年には、セタカガメ属単位で、2013年からは種単位でワシントン条約附属書IIに記載されました。

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されていますが、一般家庭での飼育には大型のケージが必要です。幼体は動物質も必要ですが、成長するにつれて植物質の供給が求められ、さもなければ成長不良を引き起こす可能性があります。

オオセタカガメについてさらに学ぶことで、このユニークなカメの保全に向けた理解が深まります。

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