オキナワウラジロガシ

オキナワウラジロガシ（Quercus miyagii）

オキナワウラジロガシは、ブナ科コナラ属に属する常緑高木で、日本の沖縄地方に特有の樹種です。この木は別名ヤエヤマガシやカシギとも呼ばれています。シノニムにはCyclobalanopsis miyagiiやQuercus yaeyamensisなどがあり、地域によって様々な呼び名があります。

特徴

オキナワウラジロガシは、最大で約20メートルの高さに成長し、幹の直径は1メートルほどに達することがあります。この木は独特の板根を持ち、根元が1メートル以上も持ち上がることがあります。葉は長さが8から15センチメートルほどで、披針形をしており、先端が細くなっています。葉は互生し、表面は濃緑色で光沢があり、裏面は白く、葉の縁は波打っていて、前半部には微弱な鋸歯が見られます。

オキナワウラジロガシは雌雄同株であり、花は風媒によって受粉され、毎年1月から3月にかけて咲きます。果実は翌年の10月から11月に成熟し、直径約2.5から4センチメートル、重さは15から20グラム程度の大きさで、日本最大のドングリとして知られています。これらの特徴から、この木は非常に独特な存在となっています。

分布・生育地

この木は日本国内の特定の地域にのみ分布し、奄美大島、徳之島、沖縄島、久米島、石垣島、西表島の湿潤で肥沃な非石灰岩地帯に生息しています。特に、鹿児島県大和村の大和浜に自生するオキナワウラジロガシ林は、2008年3月28日に日本国の天然記念物に指定されました。この保護の取り組みにより、オキナワウラジロガシの生息地が守られています。

利用

オキナワウラジロガシの木材は堅牢で密度が高く、古くから様々な用途に利用されてきました。特に、首里城の丸柱や守礼門などの琉球建築において重要な建材として使用されています。さらに、果実は豚の飼料としても活用されており、農業の一環として地域で役立てられています。

種内変異

オキナワウラジロガシには、ウラジロガシとの交雑種が確認されており、これにより品種の多様性が生まれています。このような交雑は、進化の過程で自然環境に適応するための一つの戦略でもあると考えられています。

脚注

この木についてのさらなる情報は、いくつかの文献にまとめられています。例えば、北村四郎らの『原色日本植物図鑑 木本編2』や、伊藤ふくおの『どんぐりの図鑑』などがあげられます。

このように、オキナワウラジロガシは沖縄の自然と文化に深く根ざした重要な樹種であり、その特性や利用方法からも、この木の価値は計り知れません。

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