オキーチョビー湖

オキーチョビー湖：フロリダの巨大な淡水湖

オキーチョビー湖は、アメリカ合衆国フロリダ州に位置する淡水湖で、「レイク・オー」、「ビッグ・レイク」、あるいは単に「レイク」とも呼ばれています。アメリカ国内では4番目の大きさを誇り、その広さは約1890平方キロメートルと琵琶湖の約3倍にもなります。しかし、平均水深は3メートルと比較的浅いのが特徴です。

地理

湖は広大なため、グレーズ郡、オキーチョビー郡、マーティン郡、パームビーチ郡、ヘンドリー郡の5つの郡にまたがっています。地図上では、これらの郡の境界線が湖の中心で交差する形になっています。

特徴

湖底は石灰岩でできており、最大深度は4メートルです。湖水は、周辺の農地から流れ込むリンなどの影響で富栄養化しており、濁った色をしています。

水供給と排水

主な水の供給源は、キシミー川、フィッシュイーティング川、イストックポーガ湖、テイラー川です。中でもキシミー川からの流入が最も多く、全体の60%以上を占めています。フィッシュイーティング川は全体の約9%を供給します。かつてイストックポーガ湖は、雨季になるとインディアンプレーリーを広範囲にわたり水没させ、オキーチョビー湖へと水が流れ込んでいました。現在では、イストックポーガ湖からはいくつかの運河を経由してオキーチョビー湖へ、そしてキシミー川へと水が流れています。また、オキーチョビー湖からの水は、かつてはエバーグレーズへと流出していましたが、現在は沿岸部の川へつながる運河へと振り向けられています。具体的には、マイアミ川へ繋がるマイアミ運河、東のニュー川、南西のカルーザハッチー川（カルーザハッチー運河およびヒックポチー湖経由）などが挙げられます。

バードウォッチング

湖へ向かう「ジョー・オーヴァーストリート道」は、国内外で有名なバードウォッチングスポットです。カナダヅル、アメリカシロヅル、ハクトウワシ、クロコンドルなど、多種多様な水鳥を観察することができます。

名前

「オキーチョビー」という名前は、現地の先住民族の言葉で「水」を意味する「oki」と「大きい」を意味する「chubi」に由来しており、「大きな湖」という意味を表しています。また、かつては「マカコ」や「マヤイミ」とも呼ばれており、この名前がフロリダの大都市マイアミや、湖から流出するマイアミ川の名前の由来となっています。

歴史

オキーチョビー湖は、約6000年前に海水面が後退した際に、内陸に閉じ込められた水が溜まって形成されたと考えられています。

ハリケーンの脅威

オキーチョビー湖は、過去に何度もハリケーンによる甚大な被害を受けてきました。1926年のマイアミハリケーンでは、周辺地域で約300人が亡くなりました。さらに、1928年にはオキーチョビー・ハリケーンが湖上を通過し、死者は連邦気象局発表で1836人（後に「最低2500人」と修正）に上るという大惨事となりました。これらのハリケーンでは、強烈な暴風による高潮が広範囲に洪水を引き起こし、多くの命が失われました。

災害対策

この災害を契機に、フロリダ州では「オキーチョビー洪水監視局」が設立され、アメリカ陸軍と協力して災害対策が進められるようになりました。フーヴァー大統領が現地を視察した後、陸軍工兵隊によって運河、水門、堤防などの建設が行われました。1947年のフォートローダーデール・ハリケーンの際には、新堤防を越える高波が発生したため、1960年代には堤防が改築され、さらに高さが増強されました。現在では、これらの堤防のおかげで、大型ハリケーンによる周辺集落への被害は大幅に軽減されています。

国立トレイル

オキーチョビー湖を囲む堤防は、幅6メートルの遊歩道となっており、「フロリダトレイル」の一部として国立トレイルに指定されています。この舗装された遊歩道は湖の全周をカバーしており、ハイキングやサイクリングを楽しむ人々にとって絶好の憩いの場となっています。また、十分な幅があるため、許可された車両も通行することができます。

参考文献

Lodge, Thomas E. (2005). The Everglades Handbook: Understanding the Ecosystem. Second Edition. CRC Press. ISBN 1-56670-614-9
Fisheating Creek Sub-Watershed Feasibility Study - accessed 18 April 2011
* Boning, Charles R. (2007). Florida's Rivers. Sarasota, Florida: Pineapple Press. ISBN 978-1-56164-400-1

もう一度検索