オジギソウ

オジギソウ

オジギソウ（学名：Mimosa pudica）は、マメ科ネムノキ亜科に分類される植物です。その名の通り、葉に触れるとまるで「お辞儀」をするように葉を閉じる特徴的な動きをすることから、この名前が付けられました。

別名としてネムリグサとも呼ばれます。また、ミモザという名前も広く知られていますが、これは本来オジギソウの学名に由来するものであり、一般的にミモザと呼ばれるアカシア類とは異なる植物です。種小名のpudicaは、ラテン語で「内気な」という意味を持ち、その性質を表しています。

分布

原産地は南アメリカですが、世界中に帰化[[植物]]として分布しています。日本では、沖縄で野生化しており、江戸時代後期にオランダ船によって持ち込まれたとされています。

特徴

茎は木質化し、基部は横に這うように成長し、先端は斜めに立ち上がります。茎には逆棘が多数あり、節ごとに葉をつけます。葉は偶数二回羽状複葉であり、小葉が四枚、葉柄の先端に集まってつくのが特徴です。

本来は多年草ですが、寒さに弱いため、日本では一年草として扱われることが多いです。種まきは5月頃に行い、7月から10月頃にピンク色の花を咲かせます。背丈はあまり高くならないものの、棘が多いため注意が必要です。花粉は風や蜂などによって運ばれます。

葉の運動

オジギソウの最大の特徴は、その葉の運動です。外敵に傷つけられた際の水分蒸発を防ぐため、また昼夜の就眠運動によって葉を開閉します。

接触傾性運動

接触、熱、風、振動などの刺激を受けると、小葉が先端から順番に閉じ、最後に葉全体が下向きに垂れ下がります。この一連の運動は非常に速く、数秒で完了します。この運動は、葉の特定の部位の細胞が膨圧を失うことで起こります。

具体的には、刺激を受けると茎の特定部位からカルシウムイオンを含む化学物質が放出され、この化学物質が葉の付け根にある葉枕に到達すると、0.1秒後には葉が運動を始めます。カリウムイオンが液胞から水を排出し、細胞外に拡散することで細胞の圧が失われ収縮します。この細胞間での膨圧の差によって葉が閉じ、葉柄が収縮します。これはマメ科ネムノキ亜科の植物に共通する特徴です。

葉が再び開くには、閉じてから約30分程度かかります。なぜオジギソウがこのような運動を進化させたのかは、完全には解明されていません。

就眠運動

オジギソウは、他のネムノキ類と同様に、夜になると葉を閉じて垂れ下げる「就眠運動」を行います。

食害防御

2022年、埼玉大学の研究チームによって、この葉を閉じる運動はバッタなどの食害から身を守るための防御行動であることが突き止められました。

化学成分

オジギソウには、毒性アルカロイドの一種であるミモシンが含まれています。ミモシンは抗増殖効果やアポトーシス誘導作用を示すことが明らかになっています。抽出物は糞線虫のフィラリア型幼虫を短時間で動けなくする効果があります。また、根の水抽出物はタイコブラの毒に対して、致死性を打ち消す効果があることが確認されており、コブラの毒の筋毒性や酵素活性を阻害すると考えられています。

脚注

注釈

特になし

出典

特になし

関連項目

アカシア
ネムノキ
* ミズオジギソウ：熱帯アジア、南米、アフリカに生息するマメ科の水草。オジギソウと同様に刺激により葉が閉じる性質を持ちます。

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