オスタシコフ

オスタシコフ：セリゲル湖畔の歴史と美しさが息づく町

オスタシコフは、ロシアのトヴェリ州に位置する人口約1万6千人の町です。州都トヴェリから西へ約200km、ヨーロッパ有数の透明度を誇るセリゲル湖の南岸に位置しています。この町は、その美しい自然と歴史的な建造物により、ロシアの中でも特に魅力的な田舎町の一つとされています。

歴史

オスタシコフの歴史は、セリゲル湖に浮かぶクリチェン島から始まります。1371年にリトアニア大公アルギルダスがコンスタンディヌーポリ総主教庁に送った書簡にその名が登場し、当時はモスクワ大公国との国境地帯でした。その後、ノヴゴロドの河賊ウシクイニキがクリチェン島を襲撃し、生き残った二人の漁師、オスタシコとティモフェイが本土側に移住し、それぞれオスタシコヴォとティモフェーヴォという村を再建しました。1770年にこれらの村は合併し、現在のオスタシコフとなりました。

オスタシコフは、1772年にはオスタシコフスコゴ・ノヴゴロド州の中心都市に指定されましたが、1776年からはトヴェリ州の一部となっています。

町並みと観光

オスタシコフのメインストリートは、1772年に建築家イワン・スタロフによって立案された都市計画に基づいており、新古典主義様式の建物が立ち並んでいます。町には、昇天教会（1689年）、至聖三者聖堂（1697年）、奇跡の修道院（1673年、1730年代、1880年代）、18世紀半ばのZhitnyi修道院など、数々の歴史的建造物があります。また、1587年に建てられた木造要塞の跡地には、1787年に記念柱が建てられています。これらの美しい建築物とセリゲル湖の風景が織りなす景観は、この町をロシア北西部屈指のリゾート地としています。

ニーロフ修道院と悲劇の歴史

オスタシコフの北方約10kmのセリゲル湖に浮かぶストルブニイ島には、有名なニーロフ修道院があります。しかし、この地域には悲しい歴史も存在します。スターリン政権下では、オスタシコフ特別収容所が設置され、ポーランド人警官や戦争捕虜が収容されていました。収容されていた約6,300人のポーランド人は、トヴェリに移送され処刑されました。同時期には、コゼリスクに収容されていた約4,300人のポーランド人がスモレンスク付近で処刑されており、これらは「カティンの森事件」として知られています。

現在

現在は、美しい湖と歴史的な建築物が魅力的な観光地として知られ、多くの観光客が訪れています。オスタシコフは、その美しい自然と歴史的な建造物を通じて、訪れる人々に静かな安らぎを与えてくれます。

参考情報

Map of Lake Seliger
History and monuments of Ostashkov
Tourism in Ostashkov (ロシア語)
Website of Ostashkov
Photos of Ostaskhov in 1910 and 2003
Satellite photo via Google Maps

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