オハラ・デービス

オハラ・デービス（Ohara Davies）

1992年2月9日にイングランドのインナー・ロンドン、ハックニー区で生まれたオハラ・デービスは、イギリスを代表するプロボクサーの一人である。主にスーパーライト級を主戦場とし、そのキャリアを通じて多くのタイトル戦や注目度の高い対戦を経験してきた。

キャリアの歩み

オハラ・デービスはプロ転向後、着実に勝利を重ね、キャリアの中で重要なタイトルを獲得している。特に注目されるのは、2016年11月26日にロンドンのウェンブリー・アリーナで行われた一戦である。この試合で彼は、当時WBC世界スーパーライト級シルバー王座を保持していたアンドレア・スカルパと対戦した。試合は12ラウンドまでもつれ込んだが、デービスは巧みなボクシングを展開し、ジャッジ全員が彼を支持（120-108が3者）する圧倒的な判定で勝利を収め、WBCシルバー王座を獲得した。

初防衛戦は、タイトル獲得から約半年後の2017年3月4日、ロンドンのO2アリーナで行われた。相手は元WBA世界スーパーライト級暫定王者のデリー・マシューズ。経験豊富なマシューズを相手に、デービスは持ち前の攻撃力を発揮。試合は3ラウンドに決着し、残り時間2分55秒でのTKO勝利となり、見事に初防衛に成功した。

しかし、続く2度目の防衛戦ではキャリアの転換点を迎える。2017年7月8日、グラスゴーのブラエヘッド・アリーナでコモンウェルスイギリス連邦スーパーライト級王者のジョシュ・テイラーと対戦。この試合はイギリス国内で大きな注目を集めたが、デービスは強敵テイラーの前に苦戦を強いられる。結果は7ラウンド、残り時間2分25秒でのTKO負けとなり、WBCシルバー王座から陥落した。

王座陥落後も、デービスは再起を目指してリングに上がり続ける。2018年10月6日には、レスターのレスター・アリーナでWBOインターコンチネンタルスーパーライト級王者のジャック・カテラルに挑戦したが、12ラウンドを戦い抜いたものの、判定で惜しくも敗れ（113-115が2者、110-118が1者）、王座獲得はならなかった。

その後、2019年6月28日にはロンドンのヨーク・ホールで元IBF世界ライト級王者のミゲル・バスケスと対戦し、10ラウンド判定（97-94）で勝利を収めるなど、経験を積んだ。

世界挑戦への道と新たな展開

キャリア後半に入り、オハラ・デービスは再び世界王座戦線への浮上を目指す。2023年3月4日、ニューカッスルのウティリタ・アリーナでWBA世界スーパーライト級4位にランクされていたルイス・リトソンと、WBA世界スーパーライト級の挑戦者決定戦を行った。この重要な一戦で、デービスは驚異的なパフォーマンスを見せ、9ラウンド残り時間2分23秒でのKO勝利を収め、WBA世界スーパーライト級王者アルベルト・プエジョへの挑戦権を獲得した。

この挑戦権獲得の勢いを駆って、2023年7月4日には、オスカー・デ・ラ・ホーヤが率いるアメリカの大手プロモーション、ゴールデンボーイ・プロモーションズと契約を結んだことを発表。アミール・カーン以来となる、ゴールデンボーイが契約したイギリス人ボクサーとして注目を集めた。

WBA世界スーパーライト級の次なるステップとして、2023年12月2日にはヒューストンのトヨタセンターで、元WBA世界スーパーライト級暫定王者でWBA世界スーパーライト級4位のイスマエル・バローゾとのWBA世界スーパーライト級暫定王座決定戦が予定されていた。しかし、デービスのビザ取得に遅延が生じたため、この試合は延期されることとなった。

延期されたバローゾとの暫定王座決定戦は、年をまたいだ2024年1月6日にラスベガスのヴァージン・ホテルズ・ラスベガスで行われた。新たな年、そしてアメリカの地での重要な一戦となったが、無念の結果となる。試合開始早々、バローゾの猛攻を受け、初回に2度のダウンを喫してしまう。レフェリーはこれ以上続行は危険と判断し、初回1分53秒で試合をストップ。デービスはTKO負けとなり、暫定王座獲得に失敗した。

獲得タイトル

これまでのキャリアで、オハラ・デービスは以下の主要タイトルを獲得している。

BBBofCイギリスライト級王座
WBC世界スーパーライト級シルバー王座
* WBCインターナショナルスーパーライト級王座

波乱万丈なキャリアを歩むオハラ・デービスは、今後も世界の舞台で活躍が期待されるボクサーである。

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