オマハ (軽巡洋艦)

オマハ (USS Omaha, CL-4)

オマハ（USS Omaha, CL-4）はアメリカ海軍の軽巡洋艦であり、オマハ級軽巡洋艦の最初の艦です。その艦名はネブラスカ州の都市オマハに由来しており、同名の艦としては2隻目となります。オマハは1918年12月6日にワシントン州タコマのトッド・シップビルディング社で起工し、1920年12月14日に進水、1923年2月24日に艦長デーヴィッド・C・ハンラハン大佐の指揮のもと就役しました。

艦歴

オマハが就役してからは、大西洋艦隊の一員として平穏な日々を送りました。この時期の主な任務は艦隊訓練であり、オマハは砲術や通信技術での優秀さから数回表彰を受けました。大西洋の巡航中、地中海やカリブ海での親善訪問を通じてアメリカ海軍の威容をアピールしました。

1941年11月6日、オマハは駆逐艦サマーズ（USS Somers, DD-381）と共に大西洋で中立パトロールを行っていました。そこで不審な行動をとる船を発見し、停船を命じました。その船は星条旗を掲げ、「ウィルモト（Willmoto of Philadelphia）」という名前のものでした。乗員たちは沈没の合図を送りましたが、オマハの部隊が近づこうとした際、船内からは爆発音が聞こえ、一人の乗員が「これはドイツの船で沈む！」と叫びました。結果的にオマハの部隊は危険を承知の上でこの船を救出し、プエルトリコへと連れ帰りました。この船の正体がドイツの封鎖突破船「オーデンヴァルト（Odenwald）」であったことは、アメリカ海軍にとって重要な出来事の一つとなりました。

アメリカが第二次世界大戦に参戦すると、オマハは南大西洋のパトロールを継続し、ドイツの密航船に対応しました。1944年1月4日には、駆逐艦ジョーエット（Jouett, DD-396）と行動中に不審船を発見。その船は穴が開いており、乗組員が救命艇で逃げ出そうとしました。オマハは船の沈没を防ぐために接近し、乗員を救出しました。翌日には別の不審船を発見したものの、乗員による発砲があったため、オマハは砲撃を行い、その船は沈没しました。これらの船はドイツに向かってゴムを運ぶためのものでした。

翌3月、オマハはフランス南部での上陸作戦への参加準備のためナポリに向かいました。8月19日にはトゥーロン攻撃時の艦砲射撃部隊の護衛を担当し、その数日後にはポルクロール島攻撃に参加。8月23日にはジアンの降伏式に立ち会い、25日にはトゥーロン地域への砲撃を行いました。その後、オマハは攻撃作戦を離れ、偵察巡回任務に就きました。

1945年8月15日の終戦時、オマハは南大西洋で偵察任務を行っていました。任務終了後、フィラデルフィアへ向けて出航し、9月1日に到着。10月17日には退役予定艦に選定され、1945年11月1日に正式に退役しました。オマハは1945年11月28日に除籍され、1946年2月にはフィラデルフィア海軍工廠でスクラップとして処分されました。

オマハは第二次世界大戦における戦功により、1個の従軍星章を受章しました。艦長として艦を指揮したセオドア・E・チャンドラーや、乗員として勤務したジョージ・リンカーン・ロックウェルもこの艦に関わった人物です。

もう一度検索