オリオン座イプシロン星

オリオン座ε星について

オリオン座に位置する恒星、ε星は2等星で、オリオンの帯の中央に輝いています。この恒星は非常に特異な性質を持ち、B型スペクトルの超巨星として知られています。

特徴

オリオン座ε星は、変光星の一種であるはくちょう座α型変光星に分類されています。その明るさは1.68等星から1.71等星の範囲で変化しますが、その変化幅は極めて小さいため、一般的な観測では光度の変化を感じることは難しいとされています。

また、ε星は強力な恒星風を持ち、秒速2,000kmを超える速度で風を吹き出しています。これにより、毎年太陽の質量の約200万分の1に相当する量を失っているとされています。この質量損失は、恒星の進化において重要な役割を果たしており、その運命を大きく左右する要因となります。

測定の誤差

地球からの距離は非常に遠いため、年周視差の測定には誤差が伴います。1997年のヒッパルコス衛星による観測では、この恒星までの距離が約412パーセクと報告されましたが、2007年の再評価では距離が約606パーセクに修正されました。この新たなデータを基に、ε星の半径は太陽の約64.5倍、質量は約42.0倍、光度は太陽の832,000倍という推定がされています。絶対等級も非常に明るく、同じオリオン座にある恒星リゲルよりも明るいとされています。ただし、距離が遠いため、視等級はリゲルに比べて劣ることになります。

名称の由来

学名はε Orionis（略称：ε Ori）で、固有名はアルニラム（Alnilam）です。この名称は、アラビア語の「（真珠の）連なり」という意味を持つ言葉に由来しています。特に、アブドゥッラフマーン・スーフィーの『星座の書』では、オリオン座の他の星々とともに「ジャウザーの真珠の首飾り」と呼ばれることもありました。これは、当初、ε星、δ星、ζ星の三つの星が一つの連なりとして認識されていたことを示しています。2016年7月20日に、国際天文学連合は正式にアルニラムをオリオン座ε星の固有名として認定しました。

参考文献

この情報は、天文観測年表編集委員会編の『2008年 天文観測年表』に基づいています。この文献は、恒星や天文現象に関する信頼性の高い情報を提供しており、更なる学習のための重要な資料です。

関連項目

• - 明るい恒星の一覧

これらの知識をもとに、オリオン座ε星についてさらに学び、星空観測を楽しむことができるでしょう。

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