オリスカニー (空母)

USS Oriskanyの概要

USS Oriskany (CV/CVA-34) は、アメリカ海軍に所属する航空母艦で、エセックス級と呼ばれるタイプに分類されます。この艦の名前は、アメリカ独立戦争のオリスカニーの戦いから取られています。愛称として「マイティ・O」とも呼ばれ、多くの艦歴を持つ重要な艦船です。オリスカニーは、エセックス級の中で最後に就役した航空母艦でもあります。

建造と艦歴

オリスカニーは1944年5月1日にブルックリン海軍工廠で起工し、1945年10月に進水しましたが、艦の建造は1947年に85%の進捗で一時中断されました。このため、SCB-27近代化計画のプロトタイプとして新たに設計され、艦上戦闘機の運用に適した構造へと改装されました。この改装により、フライトデッキは強化され、エレベーターや油圧カタパルト、新型の着艦制動装置が装備されました。1950年9月25日に艦長パーシー・H・ライアンの指揮のもと、正式に就役しました。

1950年代の活動

オリスカニーの初期の任務は、1940年代末から1950年代初頭にかけての冷戦時代にあたります。1950年12月にはニューヨークを出港し、フロリダ州ジャクソンビルで空母着艦資格訓練を行いました。その後、グアンタナモ湾にて第1空母航空団を受け入れ、1951年にはニューヨーク海軍造船所での改修を経て、第4空母航空団に訓練を提供しました。朝鮮戦争期間中の1953年、オリスカニーは核兵器の組立工場を艦内に設置し、北朝鮮への核攻撃を想定する形で日本の横須賀に寄港していました。この間の活動は、日本のメディアやドキュメンタリー番組でも取り上げられています。

ベトナム戦争とその後

1957年には一度の退役と改装が行われ、1959年に再就役しました。改装では飛行甲板のアングルド・デッキ化などが施され、その後は西太平洋を中心に数回の作戦航海を行いました。1965年から1968年の間は、ベトナム戦争に参加し、艦内の火災事故による大規模な損害を受けることもありました。しかし、オリスカニーは修理を経て任務を続けました。

晩年と艦の運命

25年にわたる現役生活を経て、オリスカニーは1975年に退役し、ワシントン州でモスボール状態となります。再就役の提案はありましたが、様々な事情から実現には至りませんでした。その後、1997年に海軍が再度入手し、最終的には人工魚礁として利用することが決定されました。艦体からは再使用が可能な設備が撤去され、最終的には2006年にフロリダ州沖の海底に沈められました。

受章歴と文化への影響

オリスカニーは、朝鮮戦争とベトナム戦争において、それぞれの戦争から従軍星章を受賞しており、その艦歴は多彩なエピソードで彩られています。また、いくつかの映画やドキュメンタリーでも登場し、戦時の背景を伝える重要な存在となっています。

まとめ

USS Oriskanyは、その建造経緯や艦歴、燃え尽きた後の最後の運命まで、アメリカ海軍の歴史の中で重要な役割を果たしました。その活躍は、航空母艦としての責任と使命を果たす一方で、文化的な面でも多くの人々に影響を与えています。

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