オリンピック・スタジアム

オリンピック・スタジアム

オリンピック・スタジアムは、近代オリンピックにおける中心的な競技場であり、主に開会式や閉会式、陸上競技、サッカーの決勝戦などで使用されます。このスタジアムは、世界中の人々が一堂に会し、歓喜と感動を共有する重要な場所となっています。国際オリンピック委員会（IOC）によると、このようなメインスタジアムは夏季オリンピックでは最低6万席以上を確保する必要があります。

多くのオリンピックスタジアムは、既存の施設を改修する場合や、仮設の観客席を設置してオリンピック後にその規模を縮小するなど、柔軟な対応を行っています。近年では、メインスタジアムに屋根が設けられるケースが増加していますが、2012年のロンドンオリンピックでは約40%の座席が屋根のない構造でした。

さらに、一部のスタジアムでは開閉式屋根の設計が断念されたこともあります。1976年モントリオールオリンピックのモントリオール・オリンピック・スタジアムや、2008年北京オリンピックの北京国家体育場においては、その理由としてコスト削減や安全面への配慮が挙げられました。また、2020年東京オリンピックにおいても、主に費用が懸念されたために開閉式屋根の設置が見送られました。

各大会の総工費は年を追うごとに増加しており、1996年のアトランタオリンピックでは約300億円、2000年のシドニーオリンピックでは約510億円、2008年の北京オリンピックでは約540億円、2012年のロンドンオリンピックでは約610億円、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは約550億円となっています。2020年東京オリンピックにおいては、1490億円に達するという大規模な投資が行われました。

加えて、2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、エスタジオ・ド・マラカナンがメインスタジアムとして利用され、これはサッカー専用競技場がオリンピックのメイン会場として初めて選ばれた事例として記録されています。

主なオリンピック・スタジアム

オリンピック・スタジアムは世界中にさまざまなバリエーションがありますが、開閉会式や主要競技が行われる会場に分類されます。この他にも、世界各地に存在する競技場にはユースオリンピック開催のためのスタジアムもあります。

日本を含む世界各地には、例えばトルクメニスタンのアシガバート・オリンピック・スタジアム、レバノンのトリポリ国際オリンピックスタジアム、カンボジアのプノンペン・オリンピックスタジアム、トルコのアタテュルク・オリンピヤット・スタジアム、そして中国の広東オリンピックスタジアムやスペインのエスタディオ・オリンピコ・デ・マドリードなど、様々な国にオリンピックスタジアムが存在します。これらの競技場は、オリンピックに沸く場であると同時に、それぞれの地域や国の文化や歴史を反映した象徴的な存在でもあります。

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