オリーコラ

オリーコラ（Oricola）について

オリーコラは、イタリア共和国アブルッツォ州ラクイラ県に位置する基礎自治体（コムーネ）です。人口は約1,300人と小規模ながら、豊かな歴史と交通の要衝としての役割を担っています。

位置と地理

オリーコラはアブルッツォ州の西端に位置し、ローマの東北東約50kmの場所にあります。この地域はマルシカ地方に属し、古くからローマとアドリア海沿岸を結ぶ重要な交通路でした。現在では、鉄道やアウトストラーダ（高速道路）が整備され、交通の便が良い地域となっています。

具体的には、以下の位置関係にあります。

ラクイラ（県都・州都）：南西へ約43km
ローマ：東北東へ約49km

隣接するコムーネは以下の通りです。

アルソリ (RM)
カルソーリ
ペレート
リオフレッド (RM)
ロッカ・ディ・ボッテ
ヴァッリンフレーダ (RM)
ヴィヴァーロ・ロマーノ (RM)

名称の由来

地名の「オリーコラ」は、岩がちな山を意味する「coriculum」に由来する可能性があるとされています。

歴史

オリーコラの歴史は古く、ローマ人以前にはアエクイ族が暮らしていました。紀元前304年頃、ローマ人がこの地を占領し、アニエーネ谷とマルシカの境界にカルシオリという植民市を築きました。このカルシオリは、現在のオリーコラ近郊のチヴィタ集落にあったと考えられています。

9世紀頃には、マルシ伯ライノルドによって山城（後のオリコーラ城）が築かれました。1096年には、この地域の領主であった寡婦アルデグリーナが、オリコーラを含む複数の城をモンテカッシーノ修道院に寄進しました。12世紀にはノルマン人の支配下に置かれ、土地の分割相続が行われた記録も残っています。1242年には、シチリア王フェデリーコ1世（神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世）が、オリコーラに逃亡者をかくまったとして、カルソーリを破壊しオリコーラ城を攻撃しました。

1381年には、オリコーラはオルシーニ家の封地となり、15世紀半ばにはオリコーラ城が修築され現在の形になりました。1491年にはコロンナ家の所有となりましたが、1528年にオルシーニ家が奪還しました。1557年にはアルベ公の部隊による攻撃と略奪を受け、オルシーニ家とコロンナ家の間で争奪戦が繰り広げられました。この争いは、タリアコッツォを中心とした地域全体の動向に影響を与えました。

1806年には、オリーコラの封建支配が終わり、行政自治権が認められました。ペレートやロッカ・ディ・ボッテも一時的にオリーコラの管轄下に置かれましたが、1907年に独立しています。

交通

オリーコラは、古代からの交通路が通っており、現在でも交通の要所となっています。

道路

アウトストラーダ A24：ローマとラクイラ、テルニを結ぶ高速道路が通っています。オリーコラは、この高速道路の沿線に位置しています。
国道 SR5：古代のティブルティーナ街道を基にした道路で、ローマとペスカーラを結んでいます。

カルソーリとの境界付近には、A24のカルソーリ＝オリーコラ出入口があります。

鉄道

トレニタリア（イタリア国鉄）：ローマ＝スルモーナ＝ペスカーラ線が通っており、オリコーラ＝ペレート駅が利用可能です。

オリーコラは、その歴史と交通の要衝としての役割から、周辺地域との結びつきが強い地域と言えるでしょう。

もう一度検索