オルガン協奏曲 (プーランク)

オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲 ト短調 FP.93 について

フランシス・プーランクが作曲したこの協奏曲は、オルガン、弦楽器、ティンパニという珍しい編成で書かれています。単に「オルガン協奏曲」と表記されることもあります。

作曲の経緯

作曲は1934年に開始され、1936年5月1日付の手紙でプーランクは「協奏曲は終わりに近づいている」と述べています。この手紙にはオルガンとティンパニの記載はないものの、同時期に書かれた協奏曲は他に存在しないため、この作品を指していると考えられます。

1938年12月16日、モーリス・デュリュフレの独奏、ナディア・ブーランジェの指揮により、まずポリニャック公妃のサロンで私的に初演されました。その後、1939年6月21日にデュリュフレの独奏、ロジェ・デゾルミエール指揮、パリ・フィルハーモニック協会室内管弦楽団によって公式に初演されました。

作曲から初演までに3年の遅れが生じた背景には、当時の社会情勢が影響しています。1936年のスペイン内戦や人民戦線運動による社会の混乱期に、プーランクが革命劇『7月14日』の上演に関わったことが、ポリニャック公妃の怒りを買い、演奏者を得るのが困難になったためと考えられています。

作品の特徴

この曲の大きな特徴は、管楽器を一切使用せず、オルガンの音色で管楽器の役割を補っている点です。ティンパニと弦楽器は、音の塊として効果的に使用されています。全曲は切れ目なく演奏されますが、3つの楽章に分けて捉えることもできます。各楽章の構成は自由であり、いくつかの動機や主題が巧みに用いられ、全体の統一感が図られています。

楽器編成

独奏オルガン
ティンパニ
弦楽五部

作品構成

単一楽章構成ですが、以下の3楽章構成と捉えることができます。

第1楽章：アンダンテ - アレグロ・ジョコーソ（ソナタ形式）
第2楽章：アンダンテ・モデラート（自由な3部形式）
第3楽章：アレグロ・モルト・アジタート - レント - アレグロ - ラルゴ

単一楽章として捉える場合は、以下のようになります。

アンダンテ -
アレグロ・ジョコーソ -
スビート・アンダンテ・モデラート -
テンポ・アレグロ、モルト・アジタート -
レント -
テンポ・デ・アレグロ -
テンポ・イントロダクション.ラルゴ

全体の演奏時間は約22分です。

外部リンク

* オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲（オルガン協奏曲）ト短調の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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