ロジェ・デゾルミエール

ロジェ・デゾルミエール（Roger Désormière, 1898年9月13日 - 1963年10月25日）は、フランスのヴィシーに生まれ、指揮者、作曲家として活躍した人物です。音楽家としてのキャリアは、フルート奏者としての活動から始まりました。

パリ音楽院では、フルートをフィリップ・ゴーベールに、管弦楽法をヴァンサン・ダンディに、フーガをシャルル・ケクランに、和声をグザヴィエ・ルルーに師事し、音楽の基礎を築きました。1920年に指揮者としてデビューし、1922年にはパリ音楽院でダリウス・ミヨーの『花のカタログ』を初演しています。彼はまた、アンリ・ソーゲらとともにエリック・サティが創始したアルクイユ楽派の一員としても活動しました。作曲家としては、ジャン・コクトーの『ロメオとジュリエット』（1924年）の付随音楽を手がけています。

1924年から1925年までバレエ・スエドワ、1925年からディアギレフが亡くなる1929年までバレエ・リュスの指揮者を務め、パリの聴衆からは「デゾ」の愛称で親しまれました。1930年代には映画音楽の指揮および作曲も行い、『ゲームの規則』などの作品に参加しています。1936年から3年間は、若きフランスの演奏会を指揮し、1936年にはオペラ＝コミック座の指揮者、1944年から1946年までは同劇場の音楽監督を務めました。

第二次世界大戦中、占領下のパリではレジスタンスの音楽団体である「音楽家の国民戦線」を積極的に支援しました。戦後には、BBCサード・プログラムで18世紀から20世紀にわたるフランス音楽を指揮し、1950年にはフランス国立放送管弦楽団の首席指揮者に就任しました。しかし、1952年3月7日にローマで心臓発作を起こし、その後は麻痺が残ったため、音楽活動に終止符を打つこととなりました。その後、10年以上にわたる寝たきりの生活を経て、1963年にパリで亡くなりました。

デゾルミエールは、同時代の作曲家の作品を数多く指揮する一方で、ラモーやカンプラといったフランスのバロック音楽の復興にも尽力しました。特に、1941年のドビュッシー『ペレアスとメリザンド』の初の全曲録音は、彼の業績として特筆されるべきものです。

初演歴

ダリウス・ミヨー：バレエ音楽『サラダ』（1924年、バレエ・スエドワ）
エリック・サティ：バレエ音楽『本日休演』（1924年、バレエ・スエドワ）
セルゲイ・プロコフィエフ：バレエ音楽『鋼鉄の歩み』（1927年、バレエ・リュス）
オリヴィエ・メシアン：合唱曲『神の現存についての3つの小典礼』（1945年）
モーリス・デュリュフレ：レクイエム（1947年）
フランシス・プーランク：シンフォニエッタ（1948年）
アンリ・デュティユー：交響曲第1番（1950年）
ピエール・ブーレーズ：カンタータ『水の太陽』（1950年）

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