オントンジャワ環礁

オントンジャワ環礁は、南西太平洋に広がるソロモン諸島に属する広大な環礁です。別名をルアンギウアとも称され、その規模から世界最大級の環礁の一つとして知られています。ソロモン諸島の最北端に位置し、行政的にはマライタ州の辺境に属しています。また、ロード・ハウ環礁と呼ばれることもありますが、同名の島との混同を避けるため、一般的にはオントンジャワ環礁の名称が用いられます。

地理

この環礁は、おおよそブーツのような特徴的な形状をしています。総面積は約1400平方キロメートルに及びますが、その大部分はラグーンや礁池であり、陸地面積は約12平方キロメートルに過ぎません。環礁を形成するのは122以上の小さな島々で、これらは砂やサンゴの堆積によってできた低平な環礁州島であり、最高標高はわずか13メートル程度です。地理的には、ソロモン諸島の主要部であるサンタイサベル島からは北北東へ約250キロメートル離れています。さらに、北にわずか40キロメートル隔てて、パプアニューギニア領のヌクマヌ環礁があり、歴史的に両環礁は緊密な関係を築いてきました。

住民と文化

オントンジャワ環礁には、およそ2000の人々が暮らしています。住民の多くは、環礁の東端にあるルアニウア島と、北東に位置するペラウ島という二つの主要な村に集中しており、それぞれ約1200人、約800人が居住しています。ソロモン諸島に属し地理的にはメラネシア地域に近い位置にあるにもかかわらず、オントンジャワの住民はポリネシア系の民族的特性を強く保持しています。彼らが日常的に話す言語はオントンジャワ語で、これはポリネシア諸語のエリス諸語グループに属しており、ルアニウアとペラウの村ではそれぞれわずかに異なる方言が使われています。かつては、男女ともに全身に精緻な刺青を施す習俗があったと伝えられています。隣接するヌクマヌ環礁の住民とは、長年にわたり文化交流や交易を通じて強い繋がりを維持してきました。

歴史

オントンジャワ環礁に人類が定住を開始したのは、おおよそ2000年前に遡ると考えられており、最初の住民はポリネシア人であったとされています。欧州人による最初の「発見」としては、1568年2月1日にスペインの探検家アルバロ・デ・メンダーニャ・デ・ネイラが記録した「Bajos de la Candelaria」（「聖燭祭の聖女の集まり」を意味するスペイン語）である可能性が高いとされます。その後、検証可能な記録として残っているのは、1643年にオランダのアベル・タスマンが訪れ、「オントンジャワ」と命名したものです。しかし、実際に島に上陸した最初の欧州人は、1791年のイギリス海軍士官ジョン・ハンターであり、彼はこの環礁を「ロード・ハウ環礁」と名付けました。環礁の領有権は、1893年にドイツ帝国が併合した後、1899年にイギリスへ譲渡されるという変遷をたどりました。

生活と経済

現在のオントンジャワ環礁の住民は、ココヤシやタロイモの栽培、そして漁業を中心に、ほぼ自給自足に近い伝統的な生活を営んでいます。かつては、香港へのナマコやニシキウズガイ類の輸出が主要な現金収入源でしたが、これらの採取は2005年に禁止されました。現在ではコプラの生産なども行われています。環礁の豊かな自然は、エリグロアジサシをはじめとする多種多様な海鳥にとって重要な生息地であり、繁殖地ともなっています。

学術研究

オントンジャワ環礁の住民や文化については、古くから複数の研究者によって調査が行われています。19世紀半ばには、イギリスの宣教師ジョージ・ブラウンが島を訪れ、住民の生活や社会構造について記述を残しており、特に二集団制社会様式について触れています。住民に関する最初の詳細な学術調査は、1908年から1910年にかけて行われたドイツ南洋科学遠征の一環として、民族誌学者のエルンスト・ザルフェルトとハンス・ダムによって実施されました。彼らはオントンジャワとヌクマヌの両環礁を調査し、その成果は1931年に「Luangiua und Nukumanu」として発表され、環礁名をLuangiuaとすることを提唱しました。また、20世紀初頭には作家のジャック・ロンドンもこの環礁に触れ、小説中でも言及しています。1927年にはシドニー大学の人類学者イアン・ホグビンが調査を行い、1934年に研究成果を公表するなど、学術的な関心も寄せられてきました。

関連事項

地理的な特徴として、広大なオントンジャワ海台が環礁の周囲に広がっており、またオントンジャワオオコウモリといった生物種も知られています。

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