オントンジャワ海台

オントンジャワ海台：地球史上最大級の火山活動の痕跡

オントンジャワ海台は、太平洋のソロモン諸島北方に広がる広大な海底台地です。その成因は、大規模な火山活動によるもので、地球の歴史の中でも最大級の噴火活動の痕跡として知られています。主に洪水玄武岩で構成されており、平均水深2～3km、最も浅い部分でも水深1,700mに位置しています。

形成と歴史

この海台の形成は、約1億2500万年前から1億2000万年前のルイビルホットスポットに端を発すると考えられています。マントルプルームの上昇により、マニヒキ海台やヒクランギ海台と共に、巨大な火成区が形成されました。この一連の火山活動は、地球史上最大規模であり、約800万立方kmものマグマが噴出し、地球表面の約1%を覆ったと推定されています。

海台を構成する岩石の年代測定からは、主に1億2500万年前から1億1900万年前の活動が示されています。その後、2000万年から4000万年後に二次的な火山活動が発生し、その面積は150万平方km（ほぼアラスカ州と同規模）、噴出量は500万立方kmに達しました。この時期は、白亜紀に起こった「アプト期の海洋無酸素事変」とほぼ同時期にあたり、海洋生態系に大きな影響を与えたと考えられます。

白亜紀には、他にも海洋無酸素事変が頻発しており、海洋環境は不安定な状態が続いていました。特に、約9000万年前のチューロン期には、カリブ海巨大火成岩岩石区を形成する火山活動が引き金となり、大規模な海洋無酸素事変が発生しました。この事件は、「セノマニアン・チューロニアン境界事変」とも呼ばれ、魚竜など多くの生物が絶滅したと考えられています。

地質学的特徴と影響

オントンジャワ海台は、太平洋の海底で形成された後、プレート運動によってソロモン諸島と衝突したと考えられています。この衝突によって、ラモス島やマキラ島といった島々が海面上に隆起しました。海台の上には、巨大な海山が複数存在し、オントンジャワ環礁もその一つです。これらの地形は、プレート運動と火山活動の両方の影響を受けて形成されたと考えられます。

研究の意義

オントンジャワ海台は、地球の歴史における大規模な火山活動が、地球環境や生物に与える影響を研究する上で重要な対象です。過去の火山活動の規模や頻度、地球規模の環境変動との関連性を解明することで、今後の地球環境変動予測に役立てることが期待されています。また、プレート運動や海底地形の形成過程を研究する上でも、貴重な情報を提供しています。

関連項目

シャツキー海台

外部リンク

オントンジャワ海台における地球史上最大の火山活動の原因を解明(2012年) - 海洋研究開発機構

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