オンリー・ユー (プラターズの曲)

「オンリー・ユー」についての詳細

「オンリー・ユー」（原題：Only You (And You Alone)）は、アメリカのコーラスグループプラターズが1955年に発表した楽曲で、多くのアーティストに影響を与えた名曲です。この曲は、以後さまざまな音楽家によってカバーされ、広く親しまれることとなりました。

プラターズと「オンリー・ユー」の誕生

音楽マネージメントを行っていたバック・ラムは、フェデラル・レコードのラルフ・バスからプラターズというグループの育成を任されました。当時、ラムは自作の楽曲を歌ってくれるグループを求めていました。特に、ヴォーカリストのトニー・ウィリアムズの声が彼の理想にぴったりだったのです。さらに、女性ボーカリストのゾラ・テーラーをメンバーに加えるなど、グループの編成も変更し、「オンリー・ユー」を含むいくつかの曲を録音しましたが、フェデラル・レコード側の期待に応えられず、当初の音源はリリースされませんでした。

1955年、プラターズはマーキュリー・レコードに移籍し、再び「オンリー・ユー」を録音します。このバージョンはシングルとして発売され、ビルボードR&Bチャートで7週間連続1位を獲得し、全米ポップチャート（Billboard Hot 100）でも5位に輝きました。これにより、プラターズは初のビッグヒットを手にしたのです。この成功を受けて、フェデラル・レコードも未発表曲をリリースしましたが、残念ながらこちらはチャートに入ることはありませんでした。

1956年3月21日にはミュージカル映画『ロック・アラウンド・ザ・クロック』が公開され、プラターズは「オンリー・ユー」と「ザ・グレート・プリテンダー」を披露しました。「オンリー・ユー」はこの年、BMI賞を受賞し、1999年にはグラミーの殿堂入りを果たしました。

リンゴ・スターによるカバー

1974年、元ビートルズのリンゴ・スターがアルバム『グッドナイト・ウィーン』の制作中にこの曲をカバーすることになりました。この提案は、彼の友人であるジョン・レノンからなされたもので、レノンはアルバム『心の壁、愛の橋』のセッションで録音されたトラックをスターに渡しました。プロデューサーのリチャード・ペリーは、スターのボーカルやドラム、さらにビリー・プレストンのエレクトリック・ピアノを重ね合わせて、作品を完成させました。このリンゴ・スターのバージョンは、1974年11月11日にアメリカで先行シングルとしてリリースされ、ビルボードベストセラーチャートで6位、イージーリスニングチャートでは1位のヒットを記録しました。

その他のアーティストによるカバー

「オンリー・ユー」は、プラターズ以外にも多数のアーティストにカバーされています。1955年には白人コーラスグループ、ヒルトッパーズがリリースし、ビルボード・ホット100で8位、全英チャートで3位を獲得しました。また、当年にはルイ・アームストロングがシングルのB面としてリリースし、1956年にはウェールズの歌手マルコム・ヴォーンが録音しました。

1956年、雪村いづみが日本でこの曲を収録し、カップリングとしてフランク永井の曲と共にリリースしました。やがて、多くのアーティストが様々な言語やスタイルでこの曲をカバーし、1969年に日本のコーラスグループザ・キング・トーンズが収録したバージョンも映画『ウォーターボーイズ』で使用されるなど、国を超えて愛されています。

「オンリー・ユー」は、映画『アメリカン・グラフィティ』や『ローズ家の戦争』など、多数の映画でも使用され続ける名曲となっています。また、日本のCMでも何度も取り上げられ、親しまれています。

まとめ

『オンリー・ユー』は、プラターズの成功を象徴する楽曲として、不朽の名作となっています。数多くのカバーを通じて、世代を超えて受け継がれるこの曲は、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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