ザ・グレート・プリテンダー

ザ・グレート・プリテンダー：時代を超えて愛される名曲

「ザ・グレート・プリテンダー」（The Great Pretender）は、その名の通り「偉大な詐欺師」を意味する楽曲です。この曲は、アメリカのコーラス・グループ、プラターズによって1955年にリリースされ、その後、クイーンのフレディ・マーキュリーによってもカバーされ、世界中で愛されるスタンダードナンバーとなりました。

プラターズ版：誕生と成功

作詞作曲はバック・ラムが手掛け、プラターズのリードボーカル、トニー・ウィリアムズが歌唱しました。1955年11月3日にシングルとしてリリースされると、瞬く間にR＆Bチャートとポップチャートで1位を獲得。イギリスのチャートでも5位にランクインするなど、国際的な成功を収めました。

バック・ラムは、この曲をフラミンゴ・ラスベガスの洗面所でわずか20分ほどで書き上げたとされています。これは、プラターズのヒット曲「オンリー・ユー」の成功を受けて、その勢いをさらに加速させるために制作されたものでした。2004年には、ローリング・ストーン誌の選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500にも選出され、プラス・ジョンソンがテナーサックスを演奏しました。

フレディ・マーキュリー版：新たな解釈

1987年、クイーンのフロントマン、フレディ・マーキュリーによって再び脚光を浴びました。フレディのバージョンは全英シングルチャートで4位を記録し、彼のソロキャリアにおける代表曲の一つとなりました。フレディ自身も、この曲が自身のキャリアやステージでの見せ方に合っていると語っています。

フレディ版のミュージック・ビデオは、彼の過去のミュージック・ビデオのパロディが満載で、「RADIO GA GA」、「愛という名の欲望」、「ボヘミアン・ラプソディ」、「ブレイク・フリー (自由への旅立ち)」など、フレディが演じてきたキャラクターが登場します。また、このビデオでは、フレディがトレードマークであった口ひげを剃ったことも話題となりました。2019年には、通常バージョンとエクステンデッドバージョンの両方のミュージックビデオが4Kリマスターされ、ボックス・セット『ネヴァー・ボーリング』に収録されました。

シングル収録曲

フレディ・マーキュリーのシングルは、様々なバージョンでリリースされています。

1987年盤 (日本盤7インチシングル):
ザ・グレート・プリテンダー
エクササイズ・イン・フリー・ラヴ
1987年盤 (イギリス盤12インチシングル):
ザ・グレート・プリテンダー (エクステンデッド・ヴァージョン)
ザ・グレート・プリテンダー (7インチ・ヴァージョン)
エクササイズ・イン・フリー・ラヴ (7インチ・ヴァージョン)
1993年盤 (日本盤8cmCD):
ザ・グレート・プリテンダー (オリジナル・シングル・ヴァージョン)
ラヴ・キルズ (ウルフ・ユーロ・バージョン)
1995年盤 (日本盤8cmCD):
ザ・グレート・プリテンダー (オリジナル・シングル・ヴァージョン)
マイ・ラヴ・イズ・デンジャラス

タイアップ

「ザ・グレート・プリテンダー」は、様々なメディアで使用されています。

松竹富士映画『ナイト・アンド・ザ・シティ』主題歌 (1992年)
HONDA『ACCORD』TV-CF曲 (1995年)
アニメ『GREAT PRETENDER』主題歌 (2020年)

その他のカバー

この曲は、柳ジョージなど、数多くのアーティストによってカバーされています。

* 柳ジョージ（1984年、アルバム『GOOD TIMES』収録）

「ザ・グレート・プリテンダー」は、時代を超えて愛される普遍的なテーマを歌った名曲です。プラターズとフレディ・マーキュリー、それぞれの解釈を通して、この曲の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。

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