オーストリア放送協会

オーストリア放送協会（ORF）

オーストリア放送協会（Österreichischer Rundfunk、ORF）は、オーストリアの公共放送を担う重要な機関です。元日のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートの中継映像制作も手掛けていることで国際的にも知られています。

歴史

ORFの歴史は、1923年にオーストリア初のラジオ放送局「Radio Hekaphon」が試験放送を開始したことに始まります。翌1924年には、連邦政府、ウィーン市、民間銀行の合弁により公共ラジオ放送局「RAVAG」が開局し、正式に放送を開始しました。その後、「ラジオ・ウィーン」も開局し、1924年末には聴取者数が約3万人、1925年には10万人に達しました。

1934年に第一共和国が廃止され、オーストロファシズム体制が導入されると、RAVAGのスタジオは2月内乱の戦場となりました。1935年からは新放送拠点であるラジオ文化館（現在のFunkhaus Wien）が建設され、放送が再開されました。しかし、当時の政府はRAVAGをナチスのプロパガンダに利用しました。

1945年の終戦後、連合軍軍政期にRAVAGはラジオ放送を再開し、ラジオ・ウィーンも再開しました。Funkhaus Wienはウィーンのソビエト連邦管理地区に位置していたため、RAVAG/ラジオ・ウィーンは冷戦時代も東側のプロパガンダを継続しました。そのため、西側諸国は自国系の放送局を創設しました。

1955年にはローカル放送局が統合され、「オーストリア放送連合」が発足し、1958年に現在の「オーストリア放送協会（ORF）」へと改称されました。

テレビ放送

テレビ放送は1955年にORF1が開局し、1961年にはFS2（現在のORF2）も開局しました。2005年には旅行・天気専門放送局のTW1を買収し、2011年にORF IIIと改称。2000年にTW1が開始したスポーツ専門放送は、現在ORF傘下でORF Sport +として放送されています。また、イタリア領ボルツァーノ自治県（南ティロル）のドイツ語話者住民向けに「Südtirol Heute」というニュース番組も制作・放送しています。

主要チャンネル

ORF 1
ORF2
ORF III
ORF SPORT+
3Sat（ARD、ZDF、SRFとの連携チャンネル）

ラジオ放送

1964年の国民投票を経て、1967年にÖ1、Ö2、Ö3の3波に整理され、それぞれ「総合」「地域」「音楽」チャンネルとなりました。Ö2は現在、連邦州ごとに9つのローカル放送局名で呼ばれています（例：Radio Salzburg）。1995年からは若者向けのFM4を開始しました。

これらのラジオ放送は、FM波とデジタル衛星放送（SES放送衛星アストラ19.2°E）で放送されています。Ö1は一部短波放送でも国際放送「Ö1 International」として放送されています。

主要ラジオチャンネル

Ö1
Hitradio Ö3
FM4
旧Ö2地域放送（Radio Burgenland, Radio Kärnten, Radio Niederösterreich, Radio Oberösterreich, Radio Salzburg, Radio Steiermark, Radio Tirol, Radio Vorarlberg, Radio Wien, Radio Slovenski）

ロゴ

ORFの最初のロゴマークは「ORFアイ（眼）」と呼ばれ、1968年にエリック・ソコルによってデザインされました。彼は1992年まで局のチーフデザイナー、アートディレクターとして勤務しました。1992年にはネヴィル・ブロディに依頼し、現在の「ORFブリック（レンガ）」と呼ばれるロゴを制作しました。

海外姉妹放送局・提携局

東京メトロポリタンテレビジョン（番組交換協定締結）

外部リンク

* オーストリア放送協会公式サイト

もう一度検索