オートキツ
オートキツは日本の競走馬であり、
1955年の
東京優駿(日本ダービー)の優勝馬としてその名を広めました。
日本中央競馬会が設立された後、初のダービー馬となり、
1955年年度代表馬に選ばれるなど、競馬史における重要な存在です。彼の父は月友、母は顕彰馬のトキツカゼで、血統的にも優れた lineage を持っていました。さらに、彼の半弟には天皇賞(春)や
有馬記念を制した実力馬
オンワードゼアがいます。
戦績
オートキツは
1954年11月13日の新馬戦でデビューし、2着の成績を残しました。
1955年には、10戦して4勝を挙げましたが、その中には
重賞レースでの勝利が乏しく、彼の存在感は一時薄れました。しかし、母トキツカゼの素質を引き継ぎ、不良馬場で行われたオープン戦では驚異的な20馬身差で圧勝を果たしました。この勝利は、
東京優駿における評価を高める要因となり、同レースでは24頭中10番人気に選ばれました。
東京優駿のレースでは、不良馬場とともに、ライバルのメイヂヒカリが戦線離脱したことが幸運にも味方し、オートキツは史上最大着差の8馬身をつけて勝利を収めました。オートキツはその後も安定した成績を残し、年間を通じて11戦中9勝、4回のレコードを記録しました。
菊花賞では、春のクラシックを未出走のメイヂヒカリに10馬身差で敗れましたが、その年の活躍が高く評価されて
1955年年度代表馬に選出されました。1956年も4戦全勝で、ダイヤモンドステークスや東京杯でも勝利を収めました。
引退後
オートキツは引退後、種
牡馬としての道を歩み始めましたが、当初はあまり目立たない活動が続きました。しかし、年齢を重ねるにつれてアオイライコー(大井記念や東京盃の勝ち馬)や、キングスピード(京都杯や中央競馬障害競走の最多連勝記録保持馬)など、有力な産駒を輩出し、優勝馬として成功した部類に入ります。
その他の情報
オートキツを所有していた
馬主の川口鷲太郎は、以前にトキツカゼによって
東京優駿で惜しくも優勝を逃した経歴があり、このダービー制覇は彼の長年の悲願でした。オートキツが夢を叶えた後、川口は間もなくして亡くなり、中山の法華経寺で行われた葬儀にはオートキツも参列しました。
血統
オートキツの母であるトキツカゼは、
皐月賞と
優駿牝馬の勝ち馬です。また、3代母の代マンナ(競走馬名ロビンオー)は1932年の帝室御賞典を勝った馬であり、5代母のフラストレートは小岩井農場の基礎輸入牝馬の一頭です。
オートキツはその実績と血統から、日本競馬界の中で語り継がれる優れた存在であり続けるでしょう。