ペガスス座51番星

ペガスス座51番星について

ペガスス座51番星（51 Pegasi）は、地球から約50光年という比較的近い距離に位置する恒星です。この星は、ペガスス座の四辺形の近くにあり、視等級が5.5等と、双眼鏡を使えば容易に観測できます。また、非常に暗い場所であれば肉眼でも確認できる明るさです。

恒星としての特徴

ペガスス座51番星は、太陽に似た黄色い恒星で、スペクトル型はG2.5IV（またはG4-5V）に分類されます。年齢は75億歳から85億歳と推定され、太陽（約46億歳）よりもかなり高齢です。質量は太陽より4%ほど大きく、重元素成分にも富んでいます。表面温度は太陽とほぼ同じか、わずかに低い程度ですが、明るさは太陽の30%増しです。これは、ペガスス座51番星が太陽よりも大きな天体であることを示しており、一部のカタログでは準巨星に分類されることもあります。

惑星系の存在

この星の最大の特徴は、太陽系外惑星ペガスス座51番星bの存在が初めて確認されたことです。この惑星の発見は、1995年にミシェル・マイヨールとディディエ・ケローによって報告されました。惑星は、主星の非常に近くを公転しており、このタイプの惑星は「ホット・ジュピター」として知られています。一般的に、このような惑星が存在すると、恒星の活動が活発になると考えられていますが、ペガスス座51番星のスペクトルやX線の測定によると、現在の活動は非常に低調で、マウンダー極小期のような状態にあることがわかっています。

ペガスス座51番星b (Dimidium) について

ペガスス座51番星bは、木星の約半分の質量を持つ惑星で、主星からわずか0.05au（太陽と水星の距離の約1/6）という近距離を4.2日という短い周期で公転しています。そのため、表面温度は1000℃に達すると考えられています。この惑星は発見当初、従来の惑星形成理論では説明できないほど特異な存在でしたが、その後、同様のホット・ジュピターが数多く発見され、現在では一般的な惑星タイプとして認識されています。

名称について

この星系には、神話や伝承に由来する固有名はありませんでした。しかし、国際天文学連合が2015年に太陽系外惑星系の名前を公募した際、スイスの天文クラブの提案が採用され、主星に「Helvetios」、惑星bに「Dimidium」という名前が付けられました。「Helvetios」は中世のスイス地方に住んでいたケルト系民族「ヘルウェティイ族」のラテン語名に由来し、「Dimidium」はラテン語で「半分」を意味し、惑星の質量が木星の半分程度であることに因んでいます。

参考文献

[参考文献1]：ペガスス座51番星に関する詳細な情報源
[参考文献2]：ペガスス座51番星bの発見に関する論文
[参考文献3]：国際天文学連合による命名発表

関連項目

PSR B1257+12：別の恒星系、太陽系外惑星を持つ。

もう一度検索