オールバニ級ミサイル巡洋艦

オールバニ級ミサイル巡洋艦の概要

オールバニ級ミサイル巡洋艦は、アメリカ海軍のミサイル搭載巡洋艦の艦級であり、ボルチモア級重巡洋艦の改装型です。この級の艦は、既存のボストン級ミサイル巡洋艦よりも大規模な改修が施されており、外見だけでなく装備も飛躍的に進化しています。

来歴

アメリカ海軍では第二次世界大戦後に新たな対空兵器として艦対空ミサイルの開発が始まりました。これに伴い、大戦中に設計された巡洋艦が、これらの新型ミサイルを搭載するために改装されていくこととなります。1952年度には、ボルチモア級の重巡洋艦にテリアミサイルを搭載する計画が立てられ、その後も多くの艦が改装を受けました。

1957年度には、より完成度の高い新造艦「ロングビーチ」が登場し、両方のミサイルシステムを搭載した「万能艦」としての設計が注目されました。このような背景の中で、本級も1958年度に改装が計画されることになりましたが、その後、艦隊防空ミサイルとしての駆逐艦がより有力視されることになります。

設計のポイント

オールバニ級は、従来の重巡洋艦を基にした設計であり、非常に大規模な改装が行われました。特に艦橋構造物が従来のものと大きく異なるデザインで、新たに設置されたコンパクトな艦橋が印象的です。この艦橋は、火器管制レーダーの視界を確保するために考えられたものであり、艦の全体的な重量を軽減するために、アルミニウム合金が広範に使用されています。

また、煙突の形状も変更され、レーダーとの干渉を避けるための工夫が施されています。こうした設計の特徴は、オールバニ級をほかの艦級から一線を画す存在にしています。

装備と武器システム

オールバニ級は様々な高性能の装備を備えており、これにより戦闘能力が飛躍的に向上しています。C4ISRシステムには、NTDSという海軍戦術情報システムが搭載され、敵艦や航空機に対して効果的な指揮統制を行うことが可能です。また、対空ミサイルのFire control radarも強化され、効率的な作戦を行うための基盤が整っています。

武器システムとして、艦の両端には長射程のタロス艦対空ミサイルと、短射程のターター艦対空ミサイルが搭載されており、さまざまな目標に対する防御が行えるようになっています。さらに、艦砲として38口径127mm単装砲が配置され、高速戦闘艇や低空目標への対応力が向上しています。

運用史

オールバニ級の艦は、1960年代から1970年代にかけて活発に活動しました。「シカゴ」は太平洋で第3艦隊の旗艦任務を、そして「オールバニ」は地中海で第6艦隊の旗艦として運用されました。特に「オールバニ」は1967年から1969年にかけて対空戦能力の向上を図る改修を受け、新たな技術が取り入れられました。

最終的には、残る2隻も1980年に予備役に編入され、運用の歴史に幕を下ろしました。また、これらの艦はフィクションにも登場し、特にアニメや漫画においてもその姿が描かれることがありました。

結論

オールバニ級ミサイル巡洋艦は、アメリカ海軍の艦対空ミサイル技術の集大成とも言える艦であり、その設計や性能、運用の歴史は今後の艦艇建造においても重要な影響を与え続けるでしょう。また、この級の艦はさまざまなメディアで取り上げられることにより、一般の人々にもその存在が広く知られることとなりました。

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