オール・アメリカン・レーサーズ

オール・アメリカン・レーサーズ

オール・アメリカン・レーサーズ（All American Racers、略称AAR）は、アメリカ合衆国に拠点を置く著名なレーシングチームであり、ダン・ガーニーにより1964年に設立されました。このチームは主にF1（フォーミュラ1）及びインディカー（Champ Car）での競技に注力し、1980年代から1990年代初頭にかけて、トヨタとの提携によって様々な大会で成功を収めました。

チームの起源と発展

ダン・ガーニーは、カリフォルニア州サンタアナにてこのレーシングチームを立ち上げました。彼はF1のブラバムチームでの活動の傍ら、アメリカ国内のスポーツカーレースでの活動を目指していました。その過程で、キャロル・シェルビーとの関係が進展し、彼を通じてグッドイヤー社との契約も実現しました。この契約により、1966年にはインディカーの開発が始まり、独自のシャシーが設計されました。

F1への挑戦

1966年、ガーニーは英国にアングロ・アメリカン・レーサーズ社を設立し、F1への参戦を開始しました。チームの車両「イーグル・クライマックス」は同年のベルギーGPでデビューし、初めてのポイントをフランスGPで獲得しました。1967年には新たに搭載されたウェスレイクV12エンジンで、ベルギーGPにてチームの初勝利を飾りました。この勝利は、アメリカのドライバーとして久々のF1勝利でした。

インディカーでの成功

F1から撤退した後も、オール・アメリカン・レーサーズはインディカーにおいて目覚ましい成果を上げました。1968年と1975年には、ドライバーのボビー・アンサーの操るマシンでインディ500を制覇しました。この時期に、AARが開発したシャシーは他のチームでも使用され、合計51勝を挙げる成功を収めました。

IMSAへの進出

1985年にはトヨタと提携し、IMSAのGTOクラスにセリカで参戦。1987年には日本車初のタイトルを獲得しました。さらに1989年からはGTPクラスに参戦し、1992年と1993年に連続してシリーズチャンピオンを獲得、デイトナ24時間レースとセブリング12時間レースでも勝利を収めるなど目覚ましい成果を上げました。

現在の活動

2000年以降、オール・アメリカン・レーサーズはモータースポーツ活動を休止していますが、研究開発（R&D）の業務を継続しています。2012年にはル・マン24時間レースに参戦したデルタウィングの製作に関与し、依然としてその技術力を証明しています。チームの名前に冠された「イーグル」は、製作した車両にしばしば付けられ、彼らの伝統と革新性を象徴しています。

このように、オール・アメリカン・レーサーズはその半世紀以上にわたる歴史と数々の業績から、アメリカのモータースポーツ界において特別な存在であり続けています。

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