オール・ライト・ナウ

フリー「オール・ライト・ナウ」：時代を超えて愛されるロックアンセム

「オール・ライト・ナウ」（All Right Now）は、イギリスのロックバンド、フリーが1970年に発表した楽曲で、彼らの名を一躍有名にした代表作です。アンディ・フレイザーとポール・ロジャースによって共作され、アルバム『ファイアー・アンド・ウォーター』からの先行シングルとしてリリースされました。

誕生の背景

アンディ・フレイザーによれば、この曲はダラム大学でのライブがきっかけで生まれました。観客がわずか30人という状況で、演奏者も楽しめない雰囲気の中、フレイザーがその場の空気を変えようと「オール・ライト・ナウ」と歌ったことが、曲の原型になったと言います。また、コード進行はザ・フーのピート・タウンゼントから影響を受けたと語っています。

大ヒットと影響

「オール・ライト・ナウ」は、フリーにとって初の全英シングルチャート入りを果たし、最高2位を記録しました。その後も1973年、1991年と再浮上し、それぞれ15位、8位にランクインしています。アメリカでは、Billboard Hot 100で最高4位を獲得し、フリー唯一のトップ40ヒットとなりました。

多彩なメディアでの起用

この曲は、数多くの映画で使用されています。『コードネームはファルコン』(1985年)、『ナッシング・パーソナル』(1995年)、『Dearフレンズ』(1995年)、『ボーデロ・オブ・ブラッド/血まみれの売春宿|ボーデロ・オブ・ブラッド_血まみれの売春宿』(1996年)、『アメリカン・ビューティー』(1999年)、『ワンダーランド』(2003年)、『スノーケーキを君に』(2006年)、『オールド・ドッグ』(2009年)など、様々な作品でその印象的なイントロが響き渡っています。

また、イギリスではコマーシャルソングとしても頻繁に起用され、特に1990年のリグレーのチューインガムのCMでの使用は広く知られています。

数々のカバーバージョン

「オール・ライト・ナウ」は、数多くのアーティストによってカバーされています。

元メンバーによるセルフカバー

ポール・ロジャースは、フリー解散後もソロやバッド・カンパニー、クイーン+ポール・ロジャースとしてライブで頻繁にこの曲を演奏し、ライブアルバムにも多数収録しています。また、ソロアルバム『クロニクル』では、イアン・ハットンをゲストに迎えてセルフカバーをレコーディングしています。

サイモン・カークも、リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドのツアーに参加した際にこの曲を披露しています。

ロッド・スチュワート

ロッド・スチュワートは、1984年のアルバム『カムフラージュ』でこの曲をカバーし、アメリカでシングルカットもされました。

その他のカバー

ザ・ランナウェイズ：デビュー前にジョーン・ジェット、ミッキ・スティール、サンディ・ウェストの3人でレコーディング（未発表音源集『Born to Be Bad』に収録）
ペプシ&シャーリー：アルバム『オール・ライト・ナウ』（1987年）に収録
クリスティーナ・アギレラ：ライブで歌唱（映像作品『マイ・リフレクション』に収録）
パドル・オブ・マッド：カバーアルバム『Re:(disc)overed』（2011年）に収録

「オール・ライト・ナウ」は、時代を超えて愛されるロックアンセムとして、これからも多くの人々に聴き継がれていくでしょう。

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