カイザーヴァルト強制収容所

カイザーヴァルト強制収容所

カイザーヴァルト強制収容所（ドイツ語: Konzentrationslager Kaiserwald, ラトビア語: Mežaparka koncentrācijas nometne）は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツによってラトビアのリガ近郊に設置された強制収容所です。

設立と囚人の移送

1943年3月、カイザーヴァルト強制収容所は設立されました。最初に収容されたのはドイツ人の刑事犯数百人でした。しかし、1943年夏以降、リガ・ゲットーから多数のユダヤ人が移送され、さらにリガ以外のラトビア各地からもユダヤ人が送られてきました。1944年には、ハンガリーやポーランドのウッチからもユダヤ人が移送されてきました。

1944年3月の時点では、カイザーヴァルト強制収容所には1万3000人の囚人が収容されており、その大半がユダヤ人でした。

強制労働

カイザーヴァルトは絶滅収容所ではなく、収容された人々は強制労働に従事させられました。収容所の敷地内には複数の付属収容所が設置され、女性囚人の多くはAEGの電気製品製造に従事させられました。その他の囚人は、鉱山、工場、農場などで過酷な労働を強いられました。収容所の所長は、アルベルト・ザウアー親衛隊少佐が務めました。

収容所の撤収

1944年7月、ソ連赤軍の接近に伴い、カイザーヴァルト強制収容所の撤収作業が開始されました。労働に適さないと判断された数千人の囚人は殺害され、まだ労働可能な囚人は列車や船でダンツィヒ近郊のシュトゥットホーフ強制収容所へ移送されました。撤収作業は9月には完了し、10月13日に赤軍が到着したときには、収容所はもぬけの殻となっていました。

参考文献

ウォルター・ラカー 著、井上茂子・木畑和子・芝健介・長田浩彰・永岑三千輝・原田一美・望田幸男 訳『ホロコースト大事典』柏書房、2003年。ISBN 978-4760124138。
ヤド・ヴァシェムの「Kaiserwald」についての記述[1]
ユダヤ・バーチャル・ライブラリー(en:Jewish Virtual Library)の「Kaiserwald」についての記述[2]

関連項目

エドゥアルト・ロシュマン（歴代所長の一人）

カイザーヴァルト強制収容所は、ナチスによるホロコーストの一環として、多くの人々が強制労働に苦しみ、命を落とした場所です。その歴史は、決して忘れてはならない教訓として、後世に語り継がれるべきです。

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