教会博士

教会博士（ラテン語: doctor ecclesiae）とは、キリスト教のカトリック教会において、聖人の中でも特に学識に優れ、信仰理解において偉大な業績を残した人物に贈られる称号です。

教会博士の歴史

教会博士の称号は、古代に活躍した4人の偉大な教父から始まりました。

西方の四大教会博士
アンブロジウス（ラテン[[教父]]）
アウグスティヌス（ヒッポの司教）
エウセビウス・ヒエロニムス
グレゴリウス1世（大聖グレゴリウス、ローマ教皇）

これらの教父たちは、1295年に教皇ボニファティウス8世によって正式に「教会博士」として認められました。

また、東方教会においても、同様に学識深い4人の聖人が「東方の四大教会博士」として知られています。

東方の四大教会博士
カイサリアのバシレイオス（大バシレイオス、聖大ワシリイ）
ナジアンゾスのグレゴリオス（神学者グリゴリイ）
ヨハネス・クリュソストモス（金口イオアン）
アレクサンドリアのアタナシオス（聖大アファナシイ）

16世紀以降、カトリック教会では、聖性を示した神学者にも教会博士の称号が与えられるようになり、現在までに35名の聖人がこの称号を受けています。その中には、4人の女性も含まれています。

近年の教会博士

近年、教会博士の称号を受けた著名な聖人には、以下のような人物がいます。

リジューのテレーズ（幼きイエスの聖テレジア）
1997年にヨハネ・パウロ2世によって教会博士に列せられました。24歳で亡くなった彼女は、最年少の教会博士です。
アビラのヨハネ
16世紀スペインの司祭で、2012年にベネディクト16世によって教会博士に列せられました。
ビンゲンのヒルデガルト
12世紀ドイツの修道院長で、同じく2012年にベネディクト16世によって教会博士に列せられました。4人目の女性教会博士です。
ナレクの聖グレゴリオ
2015年に教皇フランシスコによって教会博士に列せられました。
リヨンの聖イレネオ
2022年に教皇フランシスコによって教会博士に列せられました。

教会博士の意義

教会博士の称号は、単に学識が優れているだけでなく、信仰理解においても模範となる人物に与えられます。彼らの著作や思想は、カトリック教会の教義や信仰生活の指針として尊重されています。教会博士は、時代を超えて、信仰の道しるべとして、多くの信者に影響を与え続けています。

教会博士一覧

現在までに教会博士の称号を受けた35名の聖人は、以下の通りです。

アンブロジウス
アウグスティヌス
エウセビウス・ヒエロニムス
グレゴリウス1世
カイサリアのバシレイオス
ナジアンゾスのグレゴリオス
ヨハネス・クリュソストモス
アレクサンドリアのアタナシオス
トマス・アクィナス
ボナヴェントゥラ
アンセルムス
イシドール
ペトロ・クリソロゴ
レオ1世
ペトロ・ダミアニ
ベルナルド
ヒラリウス
アルフォンソ・デ・リゴリ
フランチェスコ・サレジオ
キリル1世 (アレクサンドリア総主教)
キリル2世 (エルサレム総主教)
ヨハネ・ダマスケヌス
ベーダ
エフレム
ペトロ・カニシウス
フアン・デ・ラ・クルス
ロベルト・ベラルミーノ
アルベルトゥス・マグヌス
アントニオ・パドヴァ
テレサ・デ・アビラ
カタリナ・シエナ
テレジア・デ・リジュー
ヨハネ・デ・アビラ
ヒルデガルト・フォン・ビンゲン
ナレクのグレゴリオ
リヨンのイレネオ

関連項目

神学者の一覧
三成聖者

これらの情報は、教会博士についての理解を深める上で役立つでしょう。

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