カザリドリ科

カザリドリ科 (Cotingidae)

カザリドリ科は、スズメ目に属し、主に中南米の熱帯地域に生息する鳥類の一群です。このグループは一般的に「飾鳥」と呼ばれ、その名の通り色鮮やかな外観を持つ種が多く見られます。カザリドリは、かつて「ビショクチョウ」とも称され、特に雄の鮮やかな羽毛が印象的です。

生息地と特徴

カザリドリ科は新熱帯区、つまり中南米の熱帯地域に広がっており、カリブ諸島を除いた地域で生息しています。古い文献においてはジャマイカに生息するとの記述がありましたが、現在の研究ではジャマイカの特定種は異なる科として再分類されています。カザリドリ科の鳥たちは、雄と雌で外見に明確な違いがあり、雄は鮮やかな色の冠羽や飾り羽を持つ一方、雌は比較的地味な色合いをしています。この性的二型が、繁殖期における選択の一環となっていると考えられます。

食性としては、主に果実を食べる習性がありますが、一部の種では昆虫も捕食することがあります。果実食の鳥たちは、種子を運ぶ重要な役割を果たすため、森林生態系においても大きな意義を持っています。

分類と系統

カザリドリ科は新世界亜鳴禽類の一部であり、タイランチョウ小目の一分類になります。しかし、系統関係は未だに詳細が解明されていない部分も多く、カザリドリ科はおそらく、一つの姉妹群であるマイコドリ科や、他のタイランチョウ小目の科との関連性も示唆されています。

Ohlsonらの研究によれば、カザリドリ科は四つの大きな系統に分けられていますが、一部の属の位置は不確実とされています。特に、ズグロカザリドリ属は独自の系統に属しており、また、Snowornis属は核心カザリドリ（core cotingas）内の基底に位置取りされています。2000年のPrumらの研究では、カザリドリ科は4亜科に分類されていましたが、その中のハグロドリ亜科は現在別の科とされています。そのため、現行のカザリドリ科は、3つの亜科から構成されています。

種の多様性

国際鳥類学会議（IOC）によると、カザリドリ科には24属、そして64種が確認されています。特徴的な属には、果物食性の「カンムリカザリドリ属」や「ミドリカザリドリ属」、地元での生息展示が有名な「イワドリ属」などがあり、いずれもそれぞれ独自の魅力を持っています。

近年の研究では、カザリドリ科の多様性がますます注目されており、それに関連する生態系での役割やそれぞれの種の行動、繁殖様式についての理解が進められています。また、これらの鳥たちは生息地の環境変化に敏感であり、その状況によって彼らの分布も影響を受けています。

まとめ

カザリドリ科は、その魅力的な外観や生息場所、食性といった多様性から、バードウォッチングや生物学的研究の対象としても広く親しまれています。今後の研究によって、その生態や系統についてさらなる理解が深まることが期待されています。

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