カシュウチカラ

カシュウチカラ

カシュウチカラは、日本の競走馬として名を馳せた存在であり、1979年に天皇賞（春）を制覇したことでその名を広めました。彼はテンポイント、トウショウボーイ、グリーングラスといった名馬たちと共にTTG世代の一員として知られています。競走馬としての彼のキャリアは波乱に富み、特に初期の戦績は厳しいものでしたが、最終的には大舞台での勝利を収めました。

戦績の概要

4歳時

カシュウチカラの競走デビューは1976年2月1日、東京のダート戦で、残念ながら最後尾の15着という結果から始まりました。出走2戦目で初勝利を挙げましたが、その後勝ちを重ねることができず、皐月賞や日本ダービーには出走できませんでした。その後の重賞レースも苦戦し、1963年には16戦中3勝という成績でシーズンを終えました。

5歳時

5歳に入ってカシュウチカラは徐々に本領を発揮し始めます。準オープン馬でありながらも、グリーングラスやクライムカイザーといった強敵を相手に春の目黒記念で優勝し、見事に重賞初制覇を達成しました。しかし、その後のレースでは中山記念7着、日本経済賞では落馬するなど思うような結果を残せず、春は振るわない成績に終わります。秋になると京王杯オータムハンデキャップを制したものの、毎日王冠や目黒記念では勝ち切れず、初めてのGIレース、天皇賞にも挑戦しましたが4着でした。

6歳時

6歳時のカシュウチカラは、アメリカジョッキークラブカップと春の目黒記念を連続で勝利し、絶好調で第77回天皇賞に臨みましたが、ここでもグリーングラスに惜しくも敗れ3着となりました。秋のレースでは毎日王冠で6着、天皇賞（秋）でも3着に終わるなど、やや不安定な成績が続きました。最終的には有馬記念で9着という結果でシーズンを終えることになります。

7〜9歳時

7歳に入ったカシュウチカラは、さらなる進化を見せました。中山記念では6着、ダイヤモンドステークスで2着という成績を経て、天皇賞（春）に出走。そこで初めて郷原洋行を騎手に迎え、ダービー馬サクラショウリやシービークロスを相手に見事優勝し、GI級レース制覇を果たしました。しかしその後、秋になると不調に見舞われ、毎日王冠、オープン、そして有馬記念での惨敗が続きます。その後の9歳までレースを続けましたが、勝利を収めることはできず、1981年の目黒記念（春）で最後のレースを迎え、競走馬としてのキャリアを閉じました。

引退後の生活

引退後は種牡馬としての生活を送りましたが、同期のトウショウボーイのような成功は収めることができませんでした。しかし、目立った産駒は出せなかったものの、長く種牡馬業を続け、最後の産駒であるパンパスグラスは2001年末まで競走馬として活動を行っていました。カシュウチカラ自身は、種牡馬引退後も良い待遇を受け、2003年に30歳で寿命を全うするまで吉田牧場で安らかな余生を送りました。

主な勝鞍

• - 天皇賞（春）
• - 目黒記念（春）2回
• - アメリカジョッキークラブカップ
• - 京王杯オータムハンデキャップ

その特異な競走人生と引退後の経歴は、今も多くの競馬ファンの記憶に残っています。

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