カジミェシュ・セロツキ国際作曲コンクール

ポーランドの地で、現代音楽界の新たな才能を発掘し、またポーランドの重要な作曲家カジミェシュ・セロツキの早すぎる死を悼む目的のもと、カジミェシュ・セロツキ国際作曲コンクールは設立されました。この国際コンクールは、世界中から集まる作曲家たちの作品を評価し、彼らが活躍するための機会を提供しています。

コンクールは1984年に産声を上げ、当初は3年ごとに開催される国際的な舞台として知られていました。しかし、その歩みの中で変化を遂げ、1996年からは開催間隔を短縮し、2年ごとの隔年開催へと移行しています。これにより、より頻繁に作曲家たちが自らの才能を試す場を得られるようになりました。

また、賞の授与方法にも変遷が見られます。設立当初は、特定の順位を定めずに優れた作品を表彰する形がとられていましたが、1996年以降は正規の順位付けが導入され、より明確な評価基準のもとで入賞者が決定されるようになりました。近年、コンクールは特に室内楽作品に焦点を当てており、多くの応募作品の中から優れた数点が選ばれます。原則として3名の入賞者が選出されますが、例えば2019年のように、主要な入賞者に加えて複数の佳作が授与されるなど、状況に応じて柔軟な対応も行われています。

これまでに、多くの才能ある作曲家たちがこのコンクールを通じて世界にその名を知らしめてきました。以下に、歴代の優勝者の一部を紹介します。

• - 第1回（1984年）：ベント・ロレンツェン（デンマーク）
• - 第2回（1987年）：該当者なし。最高位メック特別賞にベルンフリート・E・G・プレーベ（西ドイツ）
• - 第3回（1990年）：オレクサンドル・シェチンスキー（ソビエト連邦）
• - 第4回（1993年）：ローリー・ラドフォード（カナダ）
• - 第5回（1996年）：ペドロ・パラツィオ（アルゼンチン）
• - 第6回（1998年）：藤倉大（日本、イギリス在住）
• - 第7回（2000年）：ジャンニ・ジャコマッツォ（イタリア）
• - 第8回（2002年）：ホセ・ルイ・カンパナ（アルゼンチン、フランス在住）
• - 第9回（2004年）：トマ・シマク（アルバニア、イギリス在住）
• - 第10回（2006年）：中村寛（日本）
• - 第11回（2008年）：マリオス・ヨアンノー・エリア（キプロス、オーストリア在住）
• - 第12回（2011年）：アドリアノ・ガリアネッロ（イタリア）
• - 第13回（2013年）：該当者なし。第2位同着にパナヨティス・ココラス（ギリシャ・アメリカ合衆国在住） とリー・ソンギュン（韓国）
• - 第14回（2015年）：アドリアノ・ガリアネッロ（イタリア）
• - 第15回（2017年）：大前哲（日本）
• - 第16回（2019年）：チョイ・ジンソク（韓国）
• - 第17回（2021年）：ホン・スンジ（韓国）
• - 第18回（2023年）：木村真人（日本）

このコンクールは、国籍や背景を問わず、優れた音楽的才能を持つ作曲家たちにとって、国際的なキャリアを築く上での重要な足がかりとなっています。ポーランドが主催するこの音楽の祭典は、今後も世界の現代音楽シーンに貢献していくことでしょう。

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