カストリア県

カストリア県（Περιφερειακή ενότητα Καστοριάς）は、ギリシャ共和国の西マケドニア地方に属する行政区であり、県都はカストリア市です。

地理

カストリア県は、ギリシャの北部、マケドニア地方の西部に位置しています。東にコザニ県、南にグレヴェナ県、南西にヨアニナ県、北にフロリナ県と隣接しており、西端はアルバニアのコルチャ県との国境となっています。

地形は山がちで、大陸性気候のため、冬は寒く、夏は暑いのが特徴です。南西部にはグラモス山脈やヴィオ山脈が連なり、北東部にはヴェルノ山脈がそびえています。これらの山々が県の景観を特徴づけています。

住民

カストリア県の住民の大部分は、ポントス系ギリシャ人の子孫です。彼らは1923年のローザンヌ条約締結後、ギリシャに移住してきた人々を祖先に持ちます。ポントス系ギリシャ人の歴史と文化は、この地域の社会構造と文化に大きな影響を与えています。

行政区画

カストリア県は、カリクラティス改革（2011年1月施行）によって再編され、複数の市（ディモス）から構成されるようになりました。改革以前は、ノモス（広域自治体）としてのカストリア県が存在し、その下に基礎自治体（ディモス）が置かれていました。現在の行政区画は、旧自治体が新しい市（ディモス）を構成する行政区（ディモティキ・エノティタ）として組み込まれています。

改革以前のカストリア県を構成していた主な自治体は以下の通りです。

カストリア（Καστοριά）: 現在の県都であり、主要な市の一つです。
アギア・トリアダ（Αγία Τριάδα)
アギイ・アナリリ（Άγιοι Ανάργυροι)
イノイ（Ίνιοι)
コレステス（Κορέστεια）
マケドノス（Μακεδνός）
ミクロ・ホルシオ（Μικρό Χωριό）
メソポタミア（Μεσοποταμία）
ヴィツィ（Βίτσι）
アルゴス・オレスティコ（Άργος Ορεστικό）

これらの旧自治体は、改革後の新しい市の一部として、それぞれの地域社会の特色を維持しつつ、広域行政の中で役割を担っています。

交通

カストリア県は、ギリシャの主要な道路網によって結ばれています。特に重要な道路は以下の通りです。

国道15号線: 県内を南北に走る主要な幹線道路です。
国道20号線（欧州自動車道路E90号線）: 欧州自動車道路の一部であり、カストリア県を東西に横断し、近隣の地域や主要都市とのアクセスを支えています。

これらの道路は、県内の移動だけでなく、周辺地域やギリシャ国内の他の地域へのアクセスを円滑にする上で重要な役割を果たしています。カストリア県は、これらの交通インフラを活用して、経済活動や観光振興を進めています。

カストリア県は、その地理的特性、歴史的背景、文化、そして交通インフラを通じて、ギリシャの多様な顔を形成する重要な一翼を担っています。

もう一度検索