グレヴェナ県

グレヴェナ県は、ギリシャ北西部の西マケドニア地方に位置する行政区です。北緯40度0分、東経21度20分に位置し、県都はグレヴェナです。西マケドニア地方の南西部に位置し、西はイピロス地方のヨアニナ県と山脈で隔てられています。北西部はカストリア県とわずかに接し、北から東にかけてはコザニ県、南東はテッサリア地方のラリサ県、南は同じくテッサリア地方のトリカラ県と隣接しています。

地理

グレヴェナ県は、ピンドス山脈に連なる山岳地帯が県の西部に広がっています。南部にはハシア山（標高2,295m）、北東部にはヴリノス山（標高1,866m）がそびえ立っています。県内最長の川であるアリャクモナス川は、県の東部、中央部、北部を流れ、豊かな自然を育んでいます。また、古代テチス海の海底の礁に由来するオルリャカス山など、特異な地質学的特徴を持ち、2021年には隣接するコザニ県と共にユネスコ世界ジオパークに指定されました。

主要な都市・集落

グレヴェナ県で人口3,000人を超える都市・集落は以下の通りです。

グレヴェナ（グレヴェナ市）：10,177人
デスカティ（デスカティ市）：4,028人

歴史

1967年、グレヴェナ＝コザニ県が分割され、グレヴェナ県が広域自治体として発足しました。県都は当初コザニでしたが、後にグレヴェナとなりました。

社会

2001年の人口調査によると、グレヴェナ県はギリシャ国内で最も人口密度が低い県の一つであり、レフカダ県、エヴリタニア県に次いで3番目に人口が少ない県です。また、人口減少率が最も高い県の一つでもあり、2006年には出生数が225人、死亡数が393人と、特に地方部では死亡率が出生率の7倍にも達しました。

経済

グレヴェナ県の経済は農業が基盤で、小麦やヒヨコマメなどの豆類の生産が盛んです。また、羊などの牧畜業も重要な産業です。近年ではエコツーリズムや林業も発展しており、ヴァシリツァのスキー場も観光客を惹きつけています。

行政区画

グレヴェナ県は、以下の自治体（ディモス、市）から構成されています。

グレヴェナ市
デスカティ市

カリクラティス改革（2010年）以前には、複数の基礎自治体（ディモス、キノティタ）が存在しましたが、改革後は新自治体を構成する行政区（ディモティキ・エノティタ）となっています。

交通

A2号線（エグナティア高速道路）が県域を西南から北東に横断しており、欧州自動車道路E90号線としても指定されています。この高速道路は、ヨアニナからコザニ、テサロニキを結ぶ重要な交通路です。その他、GR-15号線、GR-26号線などの主要な道路も整備されています。

主な道路

E90号線: ヨアニナ - グレヴェナ - コザニ - テサロニキ
A2号線: ヨアニナ - グレヴェナ - コザニ - テサロニキ
GR-15号線: カストリア - グレヴェナ - カルペロ - カランバカ
GR-26号線: カルペロ - デスカティ - エラソナ

グレヴェナ県は、豊かな自然と歴史を持つ地域であり、その地理的特性や経済活動、社会状況など、様々な側面から興味深い地域です。

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