カドゥナ州

カドゥナ州

カドゥナ州（Kaduna State）はナイジェリアの中北部に位置し、州都は同名のカドゥナ市です。州の愛称として「自由な州」とも呼ばれています。この州は、近隣のカノ州、バウチ州、プラトー州、ナサラワ州、アブジャ首都圏、ナイジャ州、ザムファラ州と接しています。

地理

カドゥナ州は多様な地形を持っており、山々や平野が広がっています。特に農業が盛んな地域で、豊かな土壌が多くの作物の生産を支えています。この州の地理的条件は、農業の発展に大いに寄与しています。

歴史

カドゥナ州の歴史は1967年まで遡ります。当時の北部州が分割され、北部中央州が設立されました。その後、1976年にカドゥナ州に改名され、さらに1987年には北部がカツィナ州に分割されるなど、変遷をたどっています。2002年から2008年の間、カドゥナ州はナイジェリアにおいて第15位の経済規模を誇り、国内総生産（GDP）の約3.3%を占めていました。

農業は州のGDPの約30%を占めており、特に綿花と落花生が主な作物として栽培されています。また、カドゥナ州には国立皮革技術研究所があり、伝統的な製法と近代技術の融合を進めています。

産業

カドゥナ州の産業基盤は主に農業に依存しており、農業が全体の80%を占めています。主な作物には綿花、ヤムイモ、豆類、雑穀（キビやアワ）、生姜、米、キャッサバなどがあります。さらに、畜産業も重要な要素であり、羊、山羊、豚などが飼育されています。州内には、蛇紋岩や石綱、アメジスト、金などの鉱物資源も豊富に存在します。

行政

カドゥナ州は、23の地方行政区（Local Government Area, LGA）に分かれています。各行政区は地域の政治、経済、社会的活動を管理しています。

住民

この州には多くの民族が共存しており、特にハウサ族、グワリ族、カタブ族、バジュ族などが主要な民族です。州には36の先住民が存在し、彼らの文化や伝統が州の多様性を象徴しています。

治安

カドゥナ州は治安面での課題も抱えています。2011年の大統領選挙以降、イスラム教徒とキリスト教徒の間で対立が激化し、暴動による死者や負傷者が発生しました。遊牧民を中心としたイスラム教徒と農耕民を中心としたキリスト教徒が土地利用を巡って対立することで、宗教的な衝突に発展しやすい状況が生まれています。2014年にはキリスト教徒の村で襲撃事件が発生し、100人以上が命を落とす悲劇もありました。

カドゥナ州は、多様な文化と歴史を有し、経済的にも重要な役割を果たしていますが、政治的および宗教的な緊張も存在する複雑な地域です。

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